父への不満は今に始まったことではない。
幼い頃、父の後ろ姿を追って、書斎に入っていった時、
そこには見知らぬ客が居た。
無邪気に父に近寄るクラウディアを、父は怖い顔で
叱りつけ、訳も分からず、母に引きずられるように
部屋から出された。
追い出されるのは、母も同じだったため、幼心にも
暗に女子どもを卑下する父の心を読み取った。
初対面から好きになれなかった客にもそれを感じたので、
母に訊ねると、教会の『司教』だと教えてくれた。
司教は以来、何度も父の元を訪ねてきた。
クラウディアは司教が居る時は、二度と父の部屋のドアを
開けることはなかった。
代わりに、父に見せ付けるように男装し、男の子のように
振舞った--
父母に何を言われても、頑として止めようとしなかったのは、
父と司教に対する強烈な反感を体現したかったからだった・・
