王の娘(3) ~ 火矢 | 前世の記憶を辿る Past life memories

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元ブログ『前世の記憶』の続き。
前世の記憶では前世以外のカテゴリーも様々書きましたが、本ブログは、
前世関係に特化させたいと思っています。


--冷たい雨の降る夜、暗闇に一条の光 が走った・・・

光は、上空で大きな弧を描くと、城の土台を囲む枯草の上に落ちた。
--ぱっと炎が立ち上がり、草を燃やして辺りを赤々と照らし出す。

矢の先に仕掛けられた炎は次から次へと放たれ、小さかった炎は
またたく間に建物のすそ野に広がった---



城内は寝静まり、見張りが気づいた時には、音を立てて燃え上がる
炎が、建物の一部を燃やし始めていた。

報告を受けた王は、家来を火消しに向かわせると同時に、娘を避難させるよう
命じた--娘の居室は、火の手の上がった場所に最も近かった・・・


外は、しとしと雨が降っている。

14才になる王の娘は、小間使いに付き添われ、衣服の上から雨を避けるための
マントのようなものを着せられて外に出た。

身近に迫る火を見た恐怖と寒さに、娘は暗闇の中、震えながら呆然と佇んでいた--


王の的確で迅速な判断と、消火に奔走した家来たちの懸命な働きが功を奏し、
炎は建物の一角を焼いただけで大火にならずに済み、住人もまた全員無事に
夜明けを迎えることができたのだった。




城内が落ち着くと、王は改めて指令を出した。

--間を空けることなく、急ぎ、犯人の後を追え--

側近に、(放火の)犯人を捕らえるよう命じたのだった・・・