サラワティーの身を案じても、特定の使用人に直接手を差し伸べようと
すれば、藩王の身であるクマルが、ひとりを特別扱いすることになるうえ、
女性であればなおさら、母からの厳しい目がそれを許さない--
他の使用人、側近の立場を考えれば、それは禁じられていた。
とはいえ、サラワティーへの気遣いは、クマルの生来の『優しさ』から
あふれ出る気持ちであり、彼女に対して恋心があるという事ではない。
そんなある日、家庭が経済的にも夫婦関係も破綻していたに近い状況下
にあったサラワティーが、ついに職場で倒れた・・!
別の使用人からそれを知らされたクマルは、彼女を自分の寝室に運ぶ
よう指示--
--目覚めたサラワティーの目に飛び込んできたのは、高い天井、輝く
装飾が施された壁、金糸が縫い込まれた寝具--豪華で幅広いベッド
は、彼女の意識をはっきりさせるには十分すぎる背景だった。
部屋には誰もいなかったが、そこがクマルの寝室だという事はすぐに判った。
力を振り絞って起き上がろうとするところへ、部屋の主が入ってきた・・