劇場版『his』を観てしまった
・・感想?
配役に不満--特に、渚役の季節?(以下も呼び捨て!)
のルックスや印象と倉悠貴くんがドラマ版で築き上げた
イメージとの落差があり過ぎて、まずそこから入っていけない
気がしていた。
『ドラマ版で描かれていた、
美しくも儚い純愛の世界
に対して、映画版は(予告を観ただけの感想だが)
それを無理やり現実に引き摺り込み、ドラマ版で
大切に育て上げた『美』をわざわざぶち壊し、
ドラマ版の世界を無かったことにしている気がした。』
が、いみじくも当たってしまっただけでなく、なんだあの
季節の チャラ男 ぶりは・・!
あれは 渚 じゃない
ドラマ版の渚は、映画版では何故か同名の
別人
として登場していた。
映画版『his』 あらすじ
ゲイだと思われるのが嫌でひっそりと生活している
井川迅(宮沢氷魚)の前に、別れた恋人の日比野渚
(藤原季節)が6歳の娘・空を連れて現れる。
迅はしばらくここで住まわせてほしいと言う渚に戸惑うが、
空は迅に懐き周囲の人々も三人を優しく見守るようになる。
ある日渚は、娘の親権を妻と争っていることを明かし、長年
抑えてきた迅への思いを告白する。
ドラマ版で、同性を好きになってしまうことへの苦悩を
繊細に、美しく演じていた倉くんの渚は、消えてしまった・・
季節の演技には共鳴しないし、シンパシーも感じない。
宮沢氷魚くんが、迅の葛藤を自身のもの
として理解を深め、迅という人物像をリアル
な存在にし、ドラマ版の草川直弥くんが
描いた迅が成長した姿だと、違和感なく
受け入れることができたのとは対照的だ。
ドラマ版と別の話として作るなら異論は無いが『その後の物語』
なのだから、少なくとも渚の人格の変更に関しては、私の許容
範囲を大きく超えるものだ。
さらに--そもそも渚は、いつから男性も女性も
愛せる体質になってしまったのだ???
女性と結婚して子どもがほしいから???
--それができるなら、始めから悩む必要
なんてなかったはずなので、そもそもの
物語のコンセプトを否定することになる。
加えて、それならば、映画版では『his』というタイトルに
する必要はないし、
タイトル自体、使ってはいけないと思う。
ドラマ版と同じ、今泉監督が映画を撮っているのに、いったい
何が起こったのだろう??
ドラマ版で流されていた印象的なギターのメロディが一部
使われていたが、ドラマ版の切ないシーンを想起させる
そのメロディを耳にして、こんな映画に使われるなんて、
と、悪い意味で悲しかった。
メーテレドラマ 『his』
LGBT問題を描きたくて仕様がないのだろうか--
LGBTなどの冠をつけて物事を描いては
いけないと思う。
偏見を失くそうとして逆に偏見に意識を
向けている。
例えば恋愛ドラマを、いちいちこれはLでGであれはBで・・
なんて意識して作るかということ。その意図が透けて見えたら
うざくて誰も観なくなるだろう。
繊細なテーマを扱う時は、気をつけて
ほしいものだ。
『おっさんずラブ』(牧春版)が年齢男女問わず支持された
のは、男×男の恋愛も、普通の男女の恋愛と何ら変わら
ない形で描いていたことに加え、繊細なテーマだからこそ
台本が、誰も傷付けない優しさという『取り扱い注意』
の注意書きをしっかりと守っていたからだと思う。
好かったのはひとつだけ--宮沢氷魚くんの演技!
それだけが好い意味で浮いてしまったなんて・・彼が気の毒。
ああ、文句が止まらない・・ので、終わりにします。。。
映画『his』 宮沢氷魚

