幕末を駆けた青年(10) 新たな仕事 | 前世の記憶 ~Past Life Memories~

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占い師や精神科医に頼ることなく、自力で前世を蘇らせる方法。

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気のりはしなかったものの、あの人の指令なら従おう--


口では言っても、本意ではなかった故郷へ帰る、の気持ち・・

京都に残るための、口実となった


配置転換にはしかし、思わぬ副産物があった。


今まで、顔を見ることすら遠慮したほど、身分も格も違うその

武士と、直接の対話を交すことになったのだ・・!


雲上の存在にも等しい武士と、話ができる--寿三郎本人

より、周りの方が驚くほどの特権だった。


そしてそれは、彼の新たな仕事が、本人の想像をはるかに

超える重要な役割であることを意味している。


--彼は、はたしてその重要性に気づいていただろうか--??



新たな仕事とは、こうだ--


トップの武士--仮に、池田長発 とする--は、寿三郎に

次のような指令を出した。


先ず、斥候としてターゲットの処に出向き、正体を絶対知られる

ことなく情報を収集、一旦戻り、長発に報告。

長発はその情報を元に戦略を決定、本隊をターゲットに向かわ

せるのだが、寿三郎も帯同させる。が、戦わせるためではなく、

戦況をいち早く報告させるためだけに--


--この役どころは、驚くべきことに、寿三郎の個性、特性

を知っていれば、正に適任と言わざるを得ないものだった・・・・