新撰組の池田屋事件を思わせるようなこの騒動--
足が速く、身も軽い前世の青年 『寿三郎』 とは、いったいどのような
生い立ちで、何故、このように危険な場面に遭遇する羽目になってし
まったのか・・?
--最初に視えてくるビジョンは通常、どの方の過去世においても、大
きなハイライトのひとつである。
このショッキングなビジョンも、Mさんの前世、寿三郎にとって、最大の
出来事だったのだろう、だから、最初にどん!と見せられたのだと思う。
けれどこれだけでは、頭の中が『?』マークでいっぱいになるだけ・・
主人公の前世での過去?に遡ることは、その出来事を理解するための
必須の作業となる--
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寿三郎の生い立ち--視えてきたのは、陽光に照らされ、白くきらきらと輝く
漁に使うための網(地引網?)・・
そこは、漁をしても生活を維持していくのがやっとという、貧しい漁村だった。
寿三郎の家族も、地引網漁で生計を立てていた。
兄弟姉妹もいて、皆漁を手伝っていたが、寿三郎だけはほとんど手伝いを
せず、皆のいないところで海に小石を投げては、時間を潰したりしている。
そんな息子を、両親は時に叱りもしたが、何度言っても聞かないので、愛想
を尽かしたのか、次第に何も言わなくなっていった・・・

