選ばれた少女(10) 重なる悲劇 | 前世の記憶 ~Past Life Memories~

前世の記憶 ~Past Life Memories~

占い師や精神科医に頼ることなく、自力で前世を蘇らせる方法。

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レイラが人目もはばからず泣き伏す映像--


レイラの哀しみの理由は、セレネの悲劇が引き金となり、かねてから

具合が悪いと知らされていた母の死によるものだった。

神官としての仕事の重要性から、会わせてもらいたいとも言えず、

実際会うための時間を割くこともできなかったが・・


彼女の身に起きた不幸と、それに追い打ちをかけるかのような知らせ--

堪えていた哀しみが、セレネの悲劇を知り、堰を切ってあふれ出した・・


ただ、セレネの悲劇については、明確な情報が無い。

神官の仕事についてから、彼女の姿がぷつりと消えていることで、

彼女の意思ではない何か、外的な力が働いたことは間違いないよう

に思えた。





セレネが去り、ひとりで神官の仕事をこなすレイラ。


彼女が日々していることは、エジプトの民から見れば、『占い』のような

ものけれど、実際には難しい数学のような、学問のような事をしている。



ある日、彼女の占いが外れた--

それは、彼女の身近にいる王族、または民衆にとって、そこまで大きな

影響を及ぼすものではなかった--が、彼女にとっては大きな挫折だった。


苦しみながらも、常に結果を伴っていたはずの占い--

築き上げてきた自信が、音を立てて崩れ去る瞬間だった・・・