レイラが人目もはばからず泣き伏す映像--
レイラの哀しみの理由は、セレネの悲劇が引き金となり、かねてから
具合が悪いと知らされていた母の死によるものだった。
神官としての仕事の重要性から、会わせてもらいたいとも言えず、
実際会うための時間を割くこともできなかったが・・
彼女の身に起きた不幸と、それに追い打ちをかけるかのような知らせ--
堪えていた哀しみが、セレネの悲劇を知り、堰を切ってあふれ出した・・
ただ、セレネの悲劇については、明確な情報が無い。
神官の仕事についてから、彼女の姿がぷつりと消えていることで、
彼女の意思ではない何か、外的な力が働いたことは間違いないよう
に思えた。
セレネが去り、ひとりで神官の仕事をこなすレイラ。
彼女が日々していることは、エジプトの民から見れば、『占い』のような
ものけれど、実際には難しい数学のような、学問のような事をしている。
ある日、彼女の占いが外れた--
それは、彼女の身近にいる王族、または民衆にとって、そこまで大きな
影響を及ぼすものではなかった--が、彼女にとっては大きな挫折だった。
苦しみながらも、常に結果を伴っていたはずの占い--
築き上げてきた自信が、音を立てて崩れ去る瞬間だった・・・

