部族の長として、軍の司令官のごとき役目も果たさねばならなくなった前世の男性。
しかし穏やかで、争いごとなど決して望まない性格の彼には 『戦』 など対極に在る行為だ。
暴力、破壊、略奪・・・戦には必須?と思えるこれ等を実行しなければ勝てない・・・
ーーしかしそれよりも前 『司令官』 にとって大事なものがあったーーそれは
『 勇敢 』 であること
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
前世の男性は、一頭の馬を所有していた。
そして彼はその馬をとても愛していた。
その気持ちが伝わったか、馬は彼の意のままに動いたーー決して強制されて、ではなく。
馬と一体化することのできた男性が、愛馬を疾風のように走らせて向かった先は、なんと、
敵の陣地(部落)だった・・!
斥候※ ・・・
そんな役割は、司令官のする仕事ではない。
しかしある理由から、男性自らが進んでその危険な役目を担い、そして鮮やかに成功させて
みせたのだ。
驚く仲間達を前にしても、まるで花摘みにでも出かけて帰ってきたかのような、いつもと変わり
ない態度でいる。加えて、それを 手柄とも思っていない。
が、それもそのはず、敵を偵察して初めて戦略を練ることができるのであるーーつまり、戦いは
そこからがスタートなのだ。
・・人馬一体となって任務を遂げることができたため、どうしても手柄をと言うなら、愛馬のものだ
と考える男性ーー実際この馬あってこそ、危険を乗り越え成し得る事ができたといえる。
人を傷つける行為、悲しませる行為をしたくないと思う男性は、問題の解決に、
力は使わない、使わせない と決めていた・・・
※斥候とは ~ wikiより抜粋
本隊の移動に先駆けてその前衛に配置され、進行方面の状況を偵察しつつ敵を警戒する任務
をいう。
基本的に偵察、攻撃、追跡の三つの意味がある。
この中でも特に偵察活動は危険ではあるものの、現在の状況を確実に把握し情報を収集するた
めに必要であり、地域の支配権を左右する重要な活動である。なぜなら敵陣地の位置や部隊配
置、敵戦力の規模などの情報が確実であれば、その地域における戦闘の主導権を確保すること
ができるからである。
あらゆる戦闘斥候は敵の勢力圏やその境界において行われるために、敵の伏撃を受ける事態
や、不意の遭遇戦などが発生し、小規模で散発的な戦闘のほとんどは斥候の最中に発生する
ものである。
