砂漠を歩く前世の私らしき人物は、男性ーー
アラブの商人?のような格好をしているーー
しかしその服の生地はざらついていて、相当着古したものであるようだ。
衣装の形状等は同じだが、金糸の刺繍などは当然無い、じみ~な物。
杖をつき、年は40を過ぎているように見えるが、その顔には、幾筋もの乾いた皺が
刻まれていた・・
彼は、両脇腹に紐で繋いだふたつの袋をぶら下げている一頭の小さなロバを連れているーー
男性は、この小鹿のようなロバをとても可愛がっていたが、砂漠は時に、容赦なく
砂混じりの風を浴びせる時があるーー吹き付ける砂は、痛くて目も開けられない・・・
そして可愛いロバに、このように苛酷な旅をさせていることを、とても不憫に思っていた・・
ーーやがて、長い道のりを終えた男性は、まるで廃墟のように見える建物の前に
辿りついた。