December 3, 2012 By: Jackie Wong
2012年のGPファイナル、男子シングル部門は、日本に独占されてしまったかのように見える。
ソチへの出場権を勝ち取った6選手のうち、4人までが日本人であることで、シリーズ初戦
(スケートアメリカ)で彼らが成し得た 『表彰台独占』 の再現があるだろうことを私は
確信している。
ーーが、彼らの前には、世界選手権2連覇のタイトルに輝く、巨大な障害物が立ちはだかる・・
優勝するために、6人のスケーターのうち5人が、ショートとフリーの2つのプログラムに、クワドを
最低でも3回予定している。GPシリーズ最終章であるこの戦いにおいては、クリーンに滑りきることが
全てであり、また大きな意味を持つことになるだろう。
予想順位
優勝 -- パトリック・チャン
世界選手権2連覇中のチャンは、日本の高橋大輔、そして羽生結弦によって、シングル・ショートの
得点世界記録が更新されるまでの、世界記録保持者だった。
今シーズン序盤の、ぱっとしないスタート(ジャパンオープン、フリーでの4回の転倒を覚えてる?)
の後立て直し、力強いが完璧でもない?スケーティングを取り戻していることを見て、優勝と見る。
2位 -- 羽生結弦
2つのプログラムのうち、一方は完璧、他方は摩訶不思議な転倒の連続ーー
今までのところ、それが今シーズンの羽生だ。
アメリカと日本で行われたGPシリーズのショートプログラムでは、各大会ごと2度に渡って世界記録を
生み出し、そして自ら更新してみせたーーにもかかわらず、フリーではぼろぼろ・・
ところが、時をフィンランディア杯まで戻してみれば、正反対の結果を目にすることになる。
完璧とは言えないショートプログラム、対して、クリーンなスケーティングを見せたフリー。
GPシリーズでのショート、フィンランディア杯でのフリーを組み合わせた演技が出来れば
彼にとって優勝など、いとも簡単なことだ。
3位 -- 高橋大輔
影が薄い・・今シーズン、これが、かつての世界選手権王者を表現する言葉となっている。
ジャパンオープンでの素晴らしいスケーティングで、今シーズンをスタートさせた高橋。
だが、中国杯とNHK杯での良くもない出来ばえで、2009-2010年シーズン以来のGPシリーズ
優勝ゼロという結果を招いてしまった。
今週ファイナルで、表彰台の頂点へと返り咲くことはあるのだろうか?少なくとも彼のクワドトゥは
常に確実なのだから。
4位 -- ハビエル・フェルナンデス
スケートカナダで、王者チャンを破ったハビエルが、NHK杯で表彰台を逃すなど、誰が予想しただろう?
演技内容より技術に優れた彼が、NHK杯のフリーで見せたような乱調に陥るなら、間違いなくファイナル
では最下位になってしまう。
5位 -- 小塚崇彦
スケートアメリカで、(世界記録更新の)羽生を破って優勝したとはいえ、ロシア杯では凡庸な出来で
優勝したチャンには、30点も引き離された。堅実なスケーティングはできても、技術分野での
弱点を補えるほどではない。
高橋と同じく、小塚もクワドトゥを確実に決めることができるはずだ。ただ、両方のプログラムに予定
されている3つのクワドの成功率は、今シーズンあまり高いとは言えない。
6位 -- 町田樹
町田のファイナル出場は、どう見てもサプライズだ。
ジャンプは、プログラムにクワドを一回しか組み入れていないし、今シーズンは3回トライして1回しか
成功させていない。他の強豪と比して、演技構成が特に優れているというわけでもないが、もし
他でミスが相次げば、上位に上れるチャンスはある。