物語の内容に応じて気持ちを盛り上げていくシーンでは、前世の人物の気持ちも入っていき、鬼気迫る舞いを見せるーー
扇子で空を切るしぐさに、ローソクの炎も、まるで真空切りでもされたかのように揺れる。
すり足で床を進むその感触も伝わってきたーー
何か、扇子と I 選手の ラケット が重なるーー
ーーそして、無駄がない、鋭利な総ての動きに、今生での卓球との関連性を感じてしまった・・
最後に見えたのは、薄暗い部屋で
ーー現代のような灯りがないためだろう、日本の江戸時代などの前世を見る場合、夜と思われる映像では、部屋が常に薄暗いーー薄暗いどころか、ほぼ真っ暗に近いように感じる場面すらあるーー
床に跪き、巻物のようなものを広げている場面。
書かれている文字は、能の物語に関するもののようだ。熱心に読み、そして研究している様子が窺える。
今生の I 選手も同様に、研究熱心で努力を惜しまない性格なのだろうーー
