全国各地で、ニュープリント版の 『ベニスに死す』 が上映されているという情報を見聞きしてはいたものの、私の地方(岐阜)には、来るのか来ないのかーー
ン十年前、その時ですらリバイバル上映だった『ベニス~』を、回数にして30回以上映画館に足を運んで観続けたほどの、タッジオ中毒だった私・・
当時は、DVDもビデオすらも無かった時代ーー映画館に行くしかタジオに会うことはできなかった。
写真も数少なく、手に入れるのもひと苦労だったため、なんと私は、映画館にアナログカメラを持ち込んで、スクリーンに映るビョルンを 生(ナマ)撮りする という暴挙に出た!!(今なら考えられない
)
しかし、その様子を見ていた同じ年頃の学生達が、写真分けてくださいと声を掛けてきたりして、ビョルン繋がりでお友達までできちゃったことも今となっては懐かしい思い出・・・
さらに、当時廃盤寸前だったCMソングのレコードも、死に物狂いで!?手に入れたりーー
そんなこんなで、私的にはとにかく、やり切った?感があり、その後DVDなどが出回るようになっても手に入れようとは思わず、最近NHKで放映されたものを録画して持っているだけだ。
そんな中、巷で知ったニュープリント版の上映ーー
そしてついに岐阜市で、2週間の予定で上映されることを知った。
どっちでもよかったけれど、上映されると知ったからにはやはり観ておかなければ、ビョルンファンの名折れだ!?と思い直し、さっそく駆けつけたのが昨日ーー
ちょうど、長良川で行われる花火大会の当日と重なったせいか、もしくは知る人ぞ知る類の映画だったせいか、ほぼ貸し切り状態の
小さな劇場の小さなスクリーン(CINEX HALL ) ーー
昔観たのはその4倍ぐらいの大きさで、映像の美しさを余すところなく堪能できたものだったので、ホームシアターをちょっと大きくしたぐらいのサイズにはちょっとがっかりしたが・・・
それでも、退屈なシーンを早送りして飛ばして観ていたDVDとはさすがに違い、2時間を超える上映中、息を止めるようにしてスクリーンに見入っていた当時の感覚がそのまま蘇り、真面目?に、全編くまなく観ることになった。
そのせいで、当時ーーなんとテキトーに観ていたことか・・!ビョルンを追いかけることに夢中で見逃していたいくつかの事実に気がついたーー
アッシェンバッハの演奏後の凄まじいブーイングの嵐、その際のアルフレートの人非人的態度はリアルでなさすぎるーーとか
伝染病の蔓延ーー病院のベッドがどこもひとつも空いてないとか、数えきれないほどの死者が出ているとかーー
その深刻さを、当時は深く考えようとしなかったーーこれが現実なら、とんでもないことーー!
ラストシーンの直前、フロントで旅行用の荷物が山積みされているのを目撃したアッシェンバッハが
誰の荷物?と訊ねると
モエス 夫人とその一家の です
とフロント係が答えるのを聞いて、当時はタッジオのモデルがいることも実名も知らなかったので、その名前が記憶に残ることすらなかったが、昨日はそのせりふに
おお・・!
と唸ってみたり・・
など新しい発見がいっぱいだった。
それにしても、ビョルンの笑顔は本当に愛らしいーー!!
普通にしていても 美・少年 だが、笑顔には特に
だ~!
ところで、今日観たニュープリント版より、Youtubeからダウンロードした映像の方がクリアで汚れも無く美しいのは一体何故なのだーー?


