城に敵が迫っていたーーしかし、武将である女性の夫は遠い戦場にーー
女性は即座に立ち上がったーー迷いは微塵もない・・・!
頭にハチマキ、タスキを掛け、薙刀を手に城中の家来を全て集めた。
敵を返り討ちにするため、女城主を先頭に足並みを揃えると、城全体が揺れるーー
ーー勇ましいーーあまりに勇ましいお姫様・・
扉を開けると、闇の中、眼下に敵はいたーーー
・・・上段の構えーー
その姿を見た瞬間、敵に致命傷を負わせる構えだと判った。
薙刀を頭の上でぐるりと廻すと、下に向けられた刃先を渾身の力で振り下ろした・・・
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これだけだったが、お姫様が味方を率いて城の中を進む場面では
城全体が震えるのをリアルに感じた。
また、前世のお姫様の武将である夫は、全身黒ずくめの甲冑姿で見えた。
しかし、普段は黄金色の派手な着物を身に着けている。
ーー伊達政宗・・?
薙刀に関しては、鉄砲の出現で、兵士の武器の主力ではなくなった後
僧侶か女性の武具となったため、江戸時代には、敵の侵入を遅らせる目的で
薙刀を使って腰元が敵の足元を狙うということもあったそうだが、この前世で見た構えは
頭の上からほぼ直角に敵を突き刺すーーそういった形で、決して小手先の
使い方ではなかった。
腰元でもなかったが・・・
お母さんによるとこのお嬢さんは、今生でも勇ましい?性格だそうだ。
