とスタンプされたオリジナルTシャツを着てパブの片隅に腰掛けていると
ビートルズ大好き英国人が
『LED ZEPPELINじゃん!』
と、声を掛けてくる。
~じゃんとは言わないが、そんな感じ~

ロンドンの多くのパブでは、毎晩野心に燃える無名のバンドが
入れ替わり立ち代り舞台に立っていた。
中でも
On The Air
というアマチュア(セミプロ?)バンドが出演していたパブでは
月曜日には数えるほどしかいなかった客が、最終日の金曜日にはその席が満席となったうえ
立ち見で埋め尽くされ、ラストの曲が終わると、拍手と歓声に包まれたことは
忘れられない。
最初からバンドの演奏がとても気に入っていた私と友人(日本人)は
一週間、毎晩通いつめ、ついにはメンバーにも顔を覚えてもらったうえ
彼らは、日本人ファン第一号をとても喜んでくれた。
ただ、メジャーデビューには至らなかったのだろう、その後そのバンド名を聞かないーー
そのバンドは、オーソドックスな演奏スタイルだったが当時は、
The Clash の London Calling
xxx Pistols の Anarchy In the U.K
がヒットし始め
暴力的なイメージがつきまとう Sham69
など、パンクロック が台頭しつつあった。
そんな中、ZEP が トリ を務める大規模な野外ロックフェスティバルがある
という情報が飛び込んできた!
2週に渡り、週末ロンドン郊外で行われるという・・
それまでにも、ちょうど夏だったので Wembley (スタディアム)で行われた
小規模なフェスティバルなどは観ていた。
ーーが ZEP のようなスーパーバンドは出演していないーー
ーー今では、どういうわけか
『女性で、ZEPファン という人に初めて会った』
などと言われるのだが、当時私の回りにいた女性の友人たちで
ZEPファンでない人を捜す方が難しかった記憶があるーー
ロンドンに集まっていた同世代の日本女性達は、例外なくこの情報に色めき立った。
何故なら当時、ZEP以外のロックバンドーーQueenなどーーは、毎年のように来日していたのに
ZEPに限り、来る気配すらなかったからだ。
英国に居るからこそ、生のZEPが見られるーーーこんな千歳一隅のチャンスを逃す手はない!!!
皆、チケットを確実に入手するべく、動き始めた・・・