少女も門扉もまだ見えないころから
小高い丘を登り切ったと思われる
景色が見えていた。
風の吹きすさぶ頂き(?)には岩があり
背後は、太陽の見えない雲に覆われた
空しかなかった。
だから、岩の向こうは海なのだと判った。
この景色は一体何だろうと思っていたが
少女を見た後、その答えを知ることになった。
ひとりの女教師が、生徒と思われる
子供達を引率して丘を上っている。
子供らは、例の少女と同じくらいの年齢
ーー日本の小学生にあたる子どもたちーー
乾いた草原の中の一本道は
例の岩のある丘に続いている。
教師は、生徒の先頭に立ち
黙々と歩いていたーー

