目を閉じて、リラックスして深呼吸を繰り返す・・・・
CDの導入部分。
やがて、階段を降っていく自分を想像しながら目の前の扉を開く。
そこが前世の世界だと言うナレーションは、何が見えてきたかと
尋ねてくる。
なんとーーー初めから見えるとは限らないと思っていた私が見たものは
足首まで包むビロードの長いスカート
(とても温かいというリアルな感触があった)
そしてつま先の尖ったシルバーの靴(まるでピエロの履くような)
を身に付け、石造りのバルコニー(?)のようなところに立っていた。
バルコニーの石は淡い肌色で、枯葉が水の溜まった窪みに
何枚も落ちていた。
眼下にはクリスマスツリーのような木々、そして遠い視線の先に
連なる山々を見た。
部屋に入ると、恐ろしく磨かれた大きなテーブルが置かれており
その上に地球儀のような物が載っている。
楕円のような中心の物の周りに楕円の定規
(?目盛がぐるりとついている)が取り巻いている。
見たとたん
「ああ、厭だーーこれ以上勉強したくない・・・!」
と、何故か酷い嫌悪感を抱く。
この物体が何なのかも知らないのに・・・
(後に、この物体に関する情報を得ることになるが
この時点で、私はこれに関して何の知識もなかった)
前世の記憶CDを聞いた初日を、思いもよらない結果で終えた私には
これが単なる想像の産物だとは思えなかった。
見えてきた映像は、「あなたの知らない世界」への扉を開いたのだ・・・