食はいのち その三 | オルター中京

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農薬は細胞毒

農薬は殺菌効果・殺虫対策・除草効果があります。
殺菌とは微生物=細胞を化学的に殺すということで、殺細胞効果があるということです。
人体に摂取されるとあらゆる細胞に障害を与える可能性があり、だから農薬には発ガン性・環境ホルモン・環境ドラッグの作用が知られています。

国内の一般の慣行栽培の農薬の汚染を作物別にみると、国産米はほぼ検出限界レベル、痕跡程度です。
国産野菜になると、ときに国の基準値を超えるものがあります。
とくに四国・九州などの暖地ですが、年間畑の利用頻度が高く農薬の使用量が多いのがその原因と考えています。
国産果物は、野菜よりさらに農薬残留が多くあります。
品種改良で甘くなっている分、農薬が多用されているからです。

輸入穀物・輸入果実などは、その量はさらにハネ上がります。
ポストハーベスト農薬があるためです。
大豆・小麦・とうもろこしが高濃度の農薬汚染があることは、それらを原料とするパン・お菓子・豆腐・油などありとあらゆる加工食品や、牛乳・肉・たまごなどそれらをエサとする畜産物が危ないということを意味します。
したがって、輸入農作物やそれを原料とする加工品を食べるのをすぐにでもやめるべきです。
できれば農薬を使っていない国産のものに切替えるべきです。


「有機」農業と「有機物」農業を 区別しよう

有機農業が話題となり、私達消費者団体がそれに取り組む理由がここにあります。
有機農業すなわちオーガニックという概念は、もともとイギリスの農家が栽培の自主基準として使い始め、ヨーロッパに拡がりました。

しかしアメリカや日本では主として販売のための差別化、ラベルとして使われています。
そのため、すでに様々な形で偽装が発覚しています。

また、有機農業研究会初代会長の故一楽照雄氏が、オーガニックを「有機」と訳したためか、有機物を畑に入れればよいと勘違いしている人々がいます。
本来オーガニックは「生態系農業」「持続可能農業」とでも訳すべきで、農薬・動物医薬品・飼料添加物で汚染している家畜の糞を大量に畑に投入することを意味しているわけではありません。

「有機」農業と「有機物」農法とは分けて考えるべきだと考えます。

栄養過多、過保護は植物の成長にとってもよくないことです。
例えば亜硝酸態窒素が問題となります。
窒素は植物にとって栄養で適量は必要なのですが、多すぎると食べればヘモグロビン毒となり、電子レンジ調理や咀嚼時に蛋白質に含まれるアミンと結合すれば、ジメチルニトロソアミンという強い発ガン物質になることが知られています。

したがって、有機農業といっても農薬を使わないことはもちろんのこと、肥料の使い方には十分に注意を払う必要があります。
農業は気候、土地条件、土壌の状態に左右されるので、一律に話すことは難しい面がありますが、十分に団粒構造(微生物が作る土の状態)ができている畑では、畑に必要なのは畑から持ち出すミネラルを補うことと、カヤ・ワラ・落葉・竹のセルロースなどで地面を覆い、微生物層を日光から守ることぐらいで、あとは植物が自分の力で育ちます。

中国の本草学に「野にあるものは畑のものより上とする」という記述があります。
すなわち人の手によって過保護に育てられた野菜より、自然のままの野菜の方が食べものとしての活性が高いということです。

 漢方の上品、高麗人参でも野生のものは薬効が高いが、農薬をかけた栽培ものは薬効が期待できないという話と通じます。
できるだけ自然に近い形で育った野菜は、闘病中の人には大きな応援となることは間違いありません。 

ただし、農家にとってそれを実行するだけの心構え・理念・技術などが求められます。 
消費者にとっても自然な農業に対する理解が求められます。
形のよいこと、緑が濃いこと(亜硝酸窒素過多)などは本質ではなく、味がよいこと、元気になることの使用価値を理解する必要があります。

 「NPO法人 安全な食べものネットワーク オルター」としては、このような本質的な理解を共有する消費者と共に、種は自家採種することを奨励し、農薬は使わず、肥料は植物性マルチに可能な限りとどめることをよしとしたいと考えています。