みなさまこんばんは。
コンサート終演後は、
ありえない暑さ続きの毎日ですが、
お元気ですか
みなさま、
どうぞご自愛ください
さて先日、
おかげさまで『Latina/内なる印象』
リリース一周年を迎えました
スペイン名曲集ということで、
楽器もジャンルも超えて、
幅広く音楽ファンの方々に
聴いていただいているそうで、
嬉しいです
ありがとうございます
お約束どおり
今日は制作ストーリー《続編》を
綴ろうと思います
実は…
意外に聞かれる質問笑
「ジャケット写真の
撮影地はどこなんですか」
なんです
ヴィルヘルム・ケンプ(1895〜1991)
という偉大(すぎる)なピアニストが、
ドイツでの財産をはらって、
晩年に住んでおられた家となります。
それは、
南イタリア・アマルフィ海岸でも
有名な美しい街、
ポジターノにあります
ヴェスヴィオ火山が見えますね。
左奥には海
断崖絶壁をずっと車で移動。
途中休憩にて鮮やかですよね
私のチェンバロが、
完成間近の際に、
パリの工房に、
いよいよ楽器を見に
(試し弾きに)
行ったのですが、
その後、
イタリアにも足を延ばし、
この憧れの
ケンプの家でも、
コンサートが行われていて、
訪れていました。
私にとって、
ケンプといえば、
ベートーヴェン
ピアノを弾いていた頃、
大昔ですが
何度も何度も…
ケンプの弾かれる
ベートーヴェンのレコードを
聴いていて、
ファンの一人でした
今でも時々、
聴いてしまいますが、
まさかそんなケンプの家を
訪れるなんて、
大興奮
しかもケンプのベートーヴェンの楽譜が
お部屋にありました(上の写真)
コンサート終演後は、
お庭でパーティー
音楽も、
シチュエーションも、
時の流れも、
夢の中のようでした
そんな
ゆかりのある場所でもあり、
とても美しいので、
写真に使用しました
かのケンプのお家が、
自分の作品のジャケットに
なるなんて…
感動でした
写真にも
そんな想いの詰まった
宝箱のようなアルバム
使用楽器は1770年、
チェンバロとしてはかなり後期
(これもベートーヴェンの生年ですね)に、
クリスチャン・クロールという制作家が
作った楽器のレプリカ(複製)ですが、
この楽器は、
昔ながらの工法で、
何百年も経ったお城や教会の
古い木を再製材して、
6年もの歳月をかけて
作られたものです
楽器のボディ全体が
振動するので、
音量は非常に大きく、
カラフルな音色を持ち、
表現能力が広く、
とにかくすごい楽器です
そんな
昔ながらの製法で作られた
楽器の奥深さや、
そこから生まれる音楽の
パッションなども
ぜひ
聴いて、感じていただけたら
嬉しいです
暑い夏のお供に
聴いてくださいね
『Latina/内なる印象』ラテン名曲集
☆2017年・レコード芸術9月号「特選盤」
【収録曲】
1.グラドゥス・アド・パルナッスム博士
-子供の領分より- :ドビュッシー
2.子守歌: グラナドス
3.アストゥリアス: アルベニス
4.火祭りの踊り: ファリャ
5.オリエンタル: グラナドス
6.アンダルーサ: グラナドス
7.ソナタ ニ短調 k.213 : スカルラッティ
8.アラベスカ: グラナドス
内なる印象 より: モンポウ
9-12. 哀歌 I-IV
13. 悲しい鳥
14.小舟
15.歌と踊り 第6番: モンポウ
16.ファンダンゴ: ソレール
◾︎ana/records 3,000円(税込)
▪️録音: 2017年3月7〜9日
▪️DSD5.6MHz / 1bit recording
◽︎ブックレット文章 : 濱田 滋郎
◽︎録音エンジニア: 赤川 新一
◽︎録音アシスタント: 須賀 栄志
◽︎プロデューサー&チェンバロ技術 : 狩野 真