天皇陛下(85)は4月30日に退位され、憲法と皇室典範特例法に基づき、皇太子徳仁(なるひと)さま(59)が1日午前0時、皇位を継承し、新しい天皇に即位された。戦後生まれの初めての天皇で、憲法に規定された3人目の「象徴天皇」となった。1989年1月8日に始まった「平成」は幕を閉じ、新元号「令和」が始まった。
退位による代替わりは、皇位が江戸時代後期の光格天皇から仁孝(にんこう)天皇に移って以来202年ぶり。皇位継承に伴い、皇太子妃雅子さま(55)は新皇后になった。前の陛下は上皇、前の皇后美智子さま(84)は上皇后となった。
新天皇陛下は1日、即位に伴う国事行為の儀式に臨む。午前10時半から皇居・宮殿「松の間」で「剣璽等承継(けんじとうしょうけい)の儀」があり、皇位の証しとされる剣と璽(じ)(まが玉)、天皇が国事行為に使う印章「御璽(ぎょじ)」と「国璽(こくじ)」を受け継ぐ。
午前11時10分からは、松の間で行われる「即位後朝見の儀」で、国民に向けて初めてのおことばを述べる。いずれの儀式も10分程度を予定する。
宮内庁によると、新陛下は126代目の天皇。皇太子となるまでの称号は「浩宮(ひろのみや)」。幼稚園から大学院まで学習院で学んだ。大学院在学中に英オックスフォード大で学び、留学経験のある初めての天皇となる。93年6月に新皇后さまと結婚し、2001年12月に長女愛子さま(17)が誕生した。
新陛下に男子はいないため、皇太子は不在となる。皇位継承順位は、新陛下の弟、秋篠宮文仁(ふみひと)さま(53)が1位となり、皇嗣(こうし)として皇太子待遇を受ける。秋篠宮家の長男悠仁(ひさひと)さま(12)が2位、前の陛下の弟の常陸宮正仁(まさひと)さま(83)が3位と、一つずつ繰り上がった。
前の陛下は16年8月8日、高齢となって象徴の務めを「全身全霊」で果たせなくなることを案じ、退位の意向がにじむビデオメッセージを公表した。
憲法と皇位継承を定める皇室典範に退位の規定はなく、政府は有識者会議などでの議論を経て、法整備に着手。一代限りで退位を実現する皇室典範特例法が17年6月9日に国会で成立し同16日に公布された。退位日は同年12月、皇族代表や三権の長らがメンバーを務める皇室会議を経て閣議で決まっていた。
新天皇ご一家は当面、「東宮御所」(東京都港区)にそのまま暮らす。前の天皇、皇后両陛下が皇居・御所から仮住まいの「高輪皇族邸」(同)に引っ越した後、御所に入る。前の天皇ご夫妻は最終的に改修後の東宮御所に移り、名称は上皇の住まいを指す「仙洞(せんとう)御所」に変更される。【高島博之】
