旧優生保護法国賠訴訟!国側が請求棄却求める 仙台地裁、先行訴訟と同じ主張

 

横断幕を掲げて仙台地裁に入る原告弁護団=28日午後

 旧優生保護法(1948~96年)下で強制不妊・避妊手術が繰り返された問題で、手術を強いられた宮城県の60~80代の男女3人が国に計9900万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が28日、仙台地裁であり、国は請求棄却を求めた。

 国は答弁書で、政府と国会が救済措置を怠り続けたとする原告側の立法不作為の主張に対し「国家賠償法に基づく個別請求ができた」と同地裁での先行訴訟と同様に抗弁。手術時から20年以上が経過したため「民法の除斥期間が適用され、賠償請求権は既に消滅している」と強調した。

 原告側は「旧法は憲法が保障する幸福追求権を侵害し違憲だ」と改めて指摘。国賠法に基づく個別請求は「優生手術の性質上、被害回復には不十分で、補償立法の必要性が否定される事情はない」と反論した。

 訴えによると、60代女性は知的障害を理由に1977年に不妊手術を受けた。70代と80代の男性2人は、それぞれ障害者施設にいた10代の時に避妊手術を強いられた。3人とも宮城県への情報公開請求で手術に関する記録が見つかった。

 原告弁護団は静岡、熊本両地裁で29日に各1人、大阪地裁で30日に2人が新たに提訴すると発表した。全国の原告は計19人となる。

 岩手を除く東北5県の弁護士会や弁護士有志は30日、優生手術の被害者やその家族らを対象に無料電話相談を実施する。各地の連絡先と受付時間は次の通り。