アメリカ人記者が見た「東京の地下鉄のスゴイところ!」。ニューヨーカーが羨む東京の地下鉄システム
アメリカの社会問題啓蒙サイト「attn:」が、「東京とニューヨークの地下鉄システムの違い」という論評ページを掲載し、話題になっている。
1日800万人が利用する東京の 地下鉄システムが、恐ろしく清潔で、恐ろしく規則的に運行されているというのだ。
ニューヨーカーは東京の地下鉄システムの何を羨んでいるのだろうか。
1日に800万人が利用する東京の地下鉄システム東京の地下鉄システムは1日800万人が利用する世界で最も利用客が多い地下鉄システムだ。
その東京の地下鉄システムを絶賛する記事を、ワシントンポスト東京支社長のアンナ・ファイフィールド氏が社会問題啓蒙サイトのattn:に寄せている。
彼女によると、ニューヨークの地下鉄システムに比べて東京の地下鉄システムはまず、「恐ろしく清潔」なのだという。
各駅はスタッフが掃除機をかけて消毒し、トイレも驚くほどクリーンだ。しかもゴミ箱がないのにゴミが落ちていない。記事を紹介するattn:のウェブサイトに掲載された動画を見てみても、ニューヨークの地下鉄がいかに汚いかが見て取れる。線路上にはゴミが散乱し、ネズミが群れを成して移動している。
ネズミは東京の地下鉄にもいるかもしれないが、ニューヨークの地下鉄のように線路上にゴミが落ちている光景は見たことがないだろう。
驚くべき各種のハイテク自動販売機
彼女が次に驚くのは駅の構内に設置された各種のハイテク自動販売機だ。
ホットコーヒーなどの温かい飲み物からアイスクリーム、さらにはフライドポテトの自動販売機まで各種揃っている。利用者のマナーも最高で、自販機で買った食べ物や飲み物を車両内で食べる人はほとんどいない。
日本の自動販売機は来日する外国人が驚くものの一つである。
アメリカには日本のようなハイテク自動販売機がなく、多くは限られた種類のコーラやソーダなどを販売する旧態依然としたタイプだ。
一方、最近の日本の自動販売機の中には IoT化したものや AIを搭載したものまである。最新のAI搭載型自動販売機は購入者一人ひとりに応じてカスタマイズドメッセージやクーポンを表示したり、おすすめの商品をレコメンドしたりするものも見たことがあるのではないだろうか。
また、クラウドベースで遠隔操作できたり、ビッグデータを取得したりするものもある。そうした日本の最新のハイテク自動販売機の現状を知れば、彼女はさらに驚くだろう。
恐ろしく規則的に運行される東京の地下鉄システム
運行スケジュールの正確さも東京の地下鉄システムの驚きの一つだ。
ファイフィールド氏によると、東京の地下鉄システムでは利用客がスマホのアラームをセットしてつかの間の睡眠をとる事が可能だそうだ。なぜなら、日本の地下鉄システムの運行スケジュールは恐ろしく正確で、時刻表通りに運行されるからだという。
そのため、利用客がスマホのアラームを事前にセットしておけば、目的の駅へ到着する時間に起こしてくれるということだ。
アメリカの地下鉄システムが日本のものより正確に運行されないという事実は日米両国民にとって共通の認識となりつつあるようだ。
ファイフィールド氏の記事には多数のコメントが寄せられているが、多くが日本の地下鉄システム運行の正確さを称賛している。
中には、「(日本の地下鉄システム運行が正確なのは)秩序があって効率的で、マナーの行き届いた日本人と日本人社会に依っているからだ。アメリカ人にも日本人のような思いやりがあって、ゴミを投げ捨てず、スマホでの会話も大声でしなかったら、同じことができるかもしれない」というコメントもあった。
一方、我々ニューヨークの地下鉄は......
一方で、ニューヨークの地下鉄はどんな感じなのか。
1日に500万人が利用するニューヨークの地下鉄システムだが、ニューヨーク市監査役のスコット・ストリンガー氏によると、ニューヨークの地下鉄システムは「数百万人の利用者に対する、胃が痛くなるような屈辱」だという。
各駅は3週間ごとに1回の清掃が義務付けられているにもかかわらず、97%が「スケジュール通りに清掃されてなく」、12%がバキュームトレインと呼ばれる清掃専用車による清掃を受けていないという。また、清掃そのものも不十分で、清掃後も多くのゴミが放置され、それがたまってゴミの山を築いているという。
2014年の1年間だけで地下鉄駅構内で500件の火災が発生し、そのうちの300件がゴミの山から出火したという。
さらに火災による運航スケジュールの遅延が頻発し、利用客に影響を与えている。
アムトラックの事故に通じるものも
別の記事で最近アムトラックが立て続けに起こした死亡事故を取り上げ、その遠因としてアムトラックの赤字経営と、それによるインフラ投資の不備が挙げられる事を紹介したが、ニューヨークの地下鉄システムも同様の問題を抱えている可能性は低くないだろう。
アムトラックと日本の新幹線との対比が、ニューヨークの地下鉄システムと東京の地下鉄システムの対比に近いと感じるのは、多分筆者だけではないだろう。
ファイフィールド氏が東京の地下鉄システムに感嘆の声を上げたのは、社会インフラとしての東京の地下鉄システムの更新が、比較的うまくいっているのを目にしたからだろう。
それに加えて、IoTやAIで進化するハイテク自販機などの普及が進めば、彼女の眼にはさらに進んだものとして映ってくるだろう。
東京の地下鉄システムが、外国人を日本へ誘引する観光資源になる日が近いと感じている。

