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メガバンクリストラ時代突入 切り札は「リテール」売却、一挙に「万単位」で可能 津田倫男氏が緊急寄稿

メガバンク3行が大リストラ時代に突入する。人工知能(AI)やロボットも活用する形で約3万3000人分の業務を削減するというが、より大胆なリストラ策を実施するシナリオも想定されるというのだ。元銀行マンで銀行関連の著書も多い企業アドバイザーの津田倫男氏が緊急寄稿した。

 利ザヤの縮小と収益減少、高齢化する行員の年齢構成などを背景にメガバンクが業務削減を打ち出しているが、具体的にどう進めるか?

 いちばん抵抗がないのは退職するシニア層の補充をしないというものだが、これでは組織が硬直化し、活力も失われる。シニア層の退職を促進しつつ、新卒については500人超のレベルで大量採用を継続することで「人の入れ替え」を継続するのだろう。

 その場合、どういった職種が減少対象になるか。筆者の見立てではいわゆるリテール部門(個人取引)がそれだ。メガバンクだけでなく地銀も最近は店舗の整理統合を行っているが、廃店に伴いリテール部門の人員は確実に減る。ただ、それではみずほフィナンシャルグループが検討しているという10年で約1万9000人(年間2000人弱)の減少目標には到達しない。本部やバックオフィス(事務やシステム部門)のリストラを断行しなければならないだろう。

 AIで投資相談や融資判断が簡素化できるという考えもある。現在のAIのレベルでも簡単な投資や運用に関する質疑応答や、住宅ローン、カードローンなどの定型化された商品の審査は可能だろう。しかし、それで年間2000人もの削減が可能だろうか。

 メガバンクは既に「脱・商業銀行」を志向しているというのが筆者の見方だ。預金、貸出、資金決済という3つの本業のうち、最初の2つをどんどん縮小し、資金決済も行内システムの自動化(人が介在しない)やインターネット決済へ顧客を誘導することで、かなりの省力化を図るというものだ。

 脱・商業銀行の行き着く先は「マーチャントバンク」(投資銀行)と「運用助言と受託への特化」だ。前者は一朝一夕では強化できない業務だが、後者については着々と準備を進めているようだ。店頭を見てもローカウンター(時間のかかる相談)の数が増え、ハイカウンター(顧客を立たせて応対)は減っている。行員に取得させる資格の多くは運用や保険に関するものであることもそれを裏付けている。銀行員が今や投信と生保のセールスマン化している。

 出向はもはやリストラの手段となり得ない。銀行グループ内の関連会社で引き取るのにも限界がある。実態が不明の大きな「雇用維持機構」となっている銀行子会社、関連会社にいよいよメスが入るかもしれない。

 銀行がこれらの会社の持ち株を手放し、自立せよといっても本当にやってゆけるところがどれだけあるか疑問だが、一部の不動産子会社など、例がないわけではない。

 最も効果的な方法はリテール網を他行に売却することだ。メガバンクもこのシナリオを想定しているかもしれない。そうすれば、一挙に万単位のリストラが可能になる。

 その受け皿があるかどうかだが、それを虎視眈々と狙っている銀行、あるいは金融関係会社があるような気もする。