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ここで重要なのは、テレビを観ることを目的としているのかという部分と、設備を「設置」しているのかという部分である。大橋市議は、単身赴任生活で自宅にテレビがなく、ワンセグ付きの携帯電話を所有しているものの、視聴はしていないと主張していた。ワンセグは持っているだけで「設置」しておらず、しかも、放送の受信が目的ではないので契約義務はないという解釈だ。これに対しNHK側は「設置」という意味には「携帯」も含まれると主張したものの、判決では「設置」の中には「携帯」は含まれないとの判断を示し、受信料を支払う義務はないと結論付けている。判決の根拠となったのは放送法の第2条であったという。第2条には「設置又は携帯」という文言があり、設置と携帯が分けて記述されている。同じ法律の条文で片方は携帯が設置に含まれ、もう一方は設置と携帯が別々に記載されているということでは、論理的整合性が取れない。これに対してNHKは「この判決は放送法の解釈を誤ったもの」であり「ただちに控訴する」としている。「新社屋の建設費用」という問題NHKはこうした強硬な姿勢を示す一方で、受信料の引き下げもちらつかせはじめた。籾井勝人会長は受信の引き下げについて検討するよう指示を出し、高市早苗総務大臣も値下げを促す発言を行っている。しかし、経営委員長の石原進氏は「値下げは時期尚早」と発言するなど、内部でも方向性が定まっていないようだ。内部での足並みが揃わない理由は、新社屋の建設費をめぐるゴタゴタが解決していないからである。現在、NHKは東京・渋谷に巨大な放送センターを構えているが、2020年の東京五輪の終了後、施設を建て替える壮大な計画を明らかにしている。8月に公表された計画書によると、地上18階建ての「制作事務棟」をはじめとして、3つの巨大なビル群を、16年の歳月をかけて建設するとしている。建設費は1700億円と見込まれており、財源には積立金を充当する予定となっている。NHKには受信料収入という強力な財源があり、驚くべき財政力を誇っている。2016年3月期における事業収入は何と6868億円に達する。フジメディアホールディングスにおける放送事業収入が約3200億円であることを考えると、その巨大さが分かるだろう。