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言い返せるだけのボキャブラリー

食文化だけでなく、言葉でも地域によつて違います。塩分のきついことを、西日本では「からい」と言いますし、東日本では「しょっぱい」と表現します。その境目にある富山の一部では「しょからい」と言います。関東は馬鹿、関西はアホ、名古屋ではタワケです。名古屋のタワケの由来は、田分け。つまり、子どもに田んぼを分け与えて小さくなること。そんなことしたら、効率が悪くなりますね。だから農家では、長男だけが家と田んぼを継いだのです。子どもの遊びでも、関東では「だるまさんがころんだ」
関西では「ぼうさん(または、ぼんさん。丁稚のこと)が屁をこいた」だからといって、尾張名古屋では「だるまさんが屁をこいた」とは言いません。電車内のポスターで、関東では『痴漢は犯罪です』。関西では『チカン アカン』。「ごみを捨てるな」これが関東です。関西では『あんたのいらんもんは、ワシもいらん』。
大阪には、昔から洒落言葉といって、ストレートに言わないユーモラスな表現が
、いろいろありました。
たとえば、うさぎのさかだち……クレームがたくさんで、耳が痛い。
血みどろ……割り勘のことです。頭割り
、つまり、頭を割ると血みどろになりますね。ぼうずのはりつけ……これは難解です。お坊さんの蔑称、これがタコです
。タコをはりつけにして槍でつくわけです。タコをつく→タコついた!→高くついたー予算オーバーというわけです。
夏のひばち……ご存知ですか?つめ(爪)
があまい。
平成14年7月28日に、大阪で開催された第9回日本笑の学会のシンポジウムは、「悪態の効用」というテーマでした。
悪口の効用ということです。
これだって残しておきたいすてきな言い回しです。
上方漫才で、お互いに「悪態をつく」、つまり悪口の言い合いがよく出てきますね。どつきあい漫才です。「あんたの顔
、一円玉みたいや」「それ、どういうこっちや?」「それ以上、くずしようがないちゅうこっちや!」聞いているとスゴイ言い方ですよね。言われた方も負けてはいません。「あんたかて、枯れたもみじや」「どういうこっちや?」「ちっとも色づかん」言われたら言い返せ。この精神です。そのためには、たくさん言葉を知らなければ言い返せません。最近のように国語力が低下すると、言われっぱなしでカッとして、言葉のかわりに手が出るようになる。ボキャ貧、つまりボキャブラリーが貧困ということは、困ったことです。
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