
堀潤。「皆様のNHK」という体質に合わず、清々しく後足で砂をかけて退職した元NHKアナウンサー。彼が地上波民放キー局に早く出てこないかなと、ワクワクしていた。今秋、どうやら解禁になるらしい。ネットだのSNSだのローカル局ではすでに有名人だが、基本的に民放キー局しか観ないおばちゃんにとっては、その姿を拝むことができなかったからなぁ。
えらく楽しみなのが、『前略、月の上から。』(フジテレビ系/毎週水曜深夜)である。南海キャンディーズの山ちゃんこと山里亮太、ヒロミと3人で繰り広げるトークバラエティだという(どうやら過去に2回放送したらしいのだが、見逃していた……)。そのダイジェストを観て、15日から始まったレギュラー放送に備えていた。
基本的には、どうでもいいネタをぶつぶつと3人がしゃべる。「月の上では言っちゃいけないことなんて、ない」というスタンス。これが本当の意味でタブー破りとなるかどうかはまだわからないが、この3人なら期待してもいいのかもしれない。
バブル臭漂うヒロミは豪快なアニキ分という役割かと思いきや、たぶん一番豪快なのは堀潤である。建前だけ話しそうな公家顔なのに、しれっと本音の巨砲を撃ってしまうところが魅力的。NHKに向かって「報道の自由を返せ~!」と冗談で叫んだり、アイドルだかアーティストだかに対して「嫌いですね、というか、あれのとりまきが嫌い」と言い放つ。ピー音で消されたが、たぶん巨大な事務所所属のアイドルに対してなのだろうと推測できる。建前社会の芸能界でサバイバル中の山ちゃんは、その応対に困るだろうな。たぶんヒロミよりも毒舌、テレビ界の空気を読まない最凶の芸能人として、堀潤の暗躍に期待したいところだ。●怖いもの知らずな姿勢を貫徹
この3人がスタジオだけでなく、ロケにも行くという。ものすごく下らないネタなのだけれど、なんか新鮮。トイレのビデを試すというネタで、男子トイレに行くも、ビデがついていない(へえ、そうなのかと実は驚いた。男トイレ、ビデないのか!)。そこで女子トイレに行き、皆でひとりひとりビデ使用の初体験。あーもう本当にバカバカしいのだけれど、これぞ深夜枠の醍醐味。大御所と呼ばれるけれど、実はイジりやすい人のところへ出向き、心底怒られる三歩手前のイチャモンをつけに行ったり、と表面的には挑戦的な部分もある。ここでも堀潤は、怖いもの知らずな姿勢を貫徹。
山ちゃんが繰り出すネタ臭の強い部分もあるけれど、ヒロミと堀潤の微妙な塩対応もいいさじ加減。レギュラー番組になるといっても、フジテレビのことだから、半年くらいでしれっと終わらせてしまう危険性もある。早めにネタにしておかなければ。
で、堀潤は、同じフジテレビの『マネースクープ』(月曜夜11時~)でもMCの座についている。ちょっとこうばしい世代になったトレンディドラマ俳優らを適当にあしらい、束ねるという役柄のようだ。他局や巨悪スポンサーが手を出しにくい・扱いづらい立ち位置を死守して、ホリジュンイズムを貫いてほしい。
もっと言えば、関口知宏あたりと手を組んで、番組つくってほしい。BS・CSに流れてしまった、インテリF3層のご婦人たちを取り戻すことができるかもしれないよ。
