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『間違いだらけの子育て わが子を新型うつにしないために』(見波利幸/ビジネス社) 発達心理学にもとづけば、子どもの性質は少なからず、幼少時代の親子関係に影響を受けるという。

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 しかし、人は思春期に恋愛を経験することで自我が芽生えたり、青年期に自己の存在意義について見つめ直したりすることで、揺るぎない自分を確立し、それが自己のアイデンティティの獲得につながって、成人期に移行するものだとされている。だが、昨今の若者は恋愛が面倒だったり、親と共依存にあったりするケースも少なくない。そういった発達過程における課題がクリアできない場合は、いったいどのようなことになってしまうのか。

 『間違いだらけの子育て わが子を新型うつにしないために』(ビジネス社)の著者・見波利幸氏は、組織のメンタルヘルスの草分け的存在だ。カウンセリングや職場復帰支援など、現場での豊富な経験から、メンタルヘルス不調が生じる若い社会人たちに、次の5つの特徴があることを実感しているという。

1)児童期や思春期に不調になった経験をもつ人が多い 
2)親の愛情をそれほど強く感じていない 
3)親が人生を謳歌していない 
4)これからの人生や将来に対して期待が大きくない 
5)ストレス耐性が低い

 これらの共通因子からは、不安傾向や回避行動をもつ性格傾向が推測される。自己を確立し、人生を肯定的に乗り越えていく姿を想像するのは困難になるのだ。
 
 では、どうすればいいか。それらに対して最も深くアプローチできるのはやはり、親なのである。著者によれば、幼児期のメンタル不調や不登校、社会人になってからの出社拒否やいわゆる「新型うつ」状態は、子どもに対する親の関わり方次第で防げるのだという。逆に、親の関わり方がその原因をつくっているともいえるのだ。

1)児童期や思春期に不調になった経験をもつ人が多い
 1については、精神的な不調から不登校になっていた時期が若干でもあったり、親に厳しくしつけられたことで、対人不安を抱いている可能性が考えられる。その時点で親が不調のサインや原因を見逃し、効果的なアプローチをとらなければ、なんとか社会人にこぎつけたとしても、いざ会社に入ってリアリティ・ショックを受ければ、たまらず不調をきたしてしまうのだ。