皆様、お久しぶりです。
大分に11月30日~12月2日で旅をして来たので、ご報告させて頂きますね。

12月1日はかぼすの会の後輩たち主催の第24回九州医療福祉系ワークショップin大分があり、午前中と夕方に参加させて頂きました。
では昼間何をしていたのか書かせて下さい。

私は大分大学医学部に在学中、多くの素晴らしい方々に出会うことができました。
その一人が山田泉さんです。
養護教諭でありながら多くの学生に慕われていた山ちゃん先生。
自ら乳がんでありながら、同じ乳がんの方々が前を向いて歩めるようにと作ったオードリーの会。
「いのちの授業」で日本中の人々に愛と感動を与えた尊敬できる人。
そして、かぼすの会の理念である「自分の目で見て感じて考える」ことを教えて下さった恩師。

その泉さんが乳がんの再発でお亡くなりになったのは10年前。

亡くなる最期まで、どんなに痛みが辛くても会う方々には笑顔だったという。
そんな泉さんが最期に夫の真一さんに伝えた言葉は「私は人の役に立てたのかな?」だった。

私は泉さんのように人の役に立てるようにと走り続けてきたけど、まだまだ追いつけない自分がいる。
どうしても話がしたくて真一さんに無理を言って泉さんのお墓参りをさせて頂いた。

私の身体は残念ながらALSの進行が止まらない。
3年程でロックする(コミュニケーションが取れなくなる)可能性が高まった。
妻や後輩たちには、ロックまでの時間を伸ばすのではなく、最期まで医師としての使命を果たしたいと伝えた。
私は死ぬ覚悟は出来ている。
人生は長く生きることよりどう生きるかが大事だ。
だから私は、泉さんのように最期まで人の役に立ち続ける決意表明と、まだまだ役に立てるのならば進行を止めて下さいと墓前で話をさせて頂きました。

泉さんのお墓は紅葉した美しい山々を背景に凛として立っていました。
そして墓前には真一さんの耕す畑が広がっており、帰りにたくさんの野菜を頂きました。
夜、OBみんなで食べさせて頂いたのですが、今まで食べたことがないほど甘く、とてつもなく美味しかったです。
その時ふと、あの曲が頭の中で流れました。
『千の風になって』
「秋には光になって畑にふりそそぐ・・・」
泉さんと真一さんの愛情がたっぷりと詰まった野菜。
是非また食べさせて頂きたいです。

泉さんは今もなお、千の風になって多くの人を救っているんでしょうね。

私も、人の役に立ち続けられるよう頑張ります。