前回の記事では多くのご意見を頂きありがとうございました。
改めて訪問診療が大好きだったなと思い出せました。
必ず治して訪問診療に戻ってみせます!
いくつか質問を頂いたのでそれにご返答しつつ、その時のエピソードを絡めて書かせて頂きます。
介護保険に関わる職種の場合、責任の所在はどこに?という質問がありました。
私の場合、全て医師である私の責任においてやって頂きました。
どういうことかというと、例えば訪問入浴で血圧や脈など普段より高かったりした時、ご本人やご家族とも話し、入浴希望であれば体調に問題ないと判断した場合、入浴して頂くことがありました。しかし、その際には必ず書類に“太田医師の許可の下、入浴となった”旨記載してもらっていました。つまり、責任は医師が取るということです。無論、その際に何か起こった場合すぐに駆けつけられる体制を取って他の患者さんの訪問をしていました。
大事なことは、医師がチームリーダーとなり、責任を負うということです。
普段から患者さんの様子や病態を地域の他職種間で共有できていれば、まずトラブルになることはありませんし、一度も入浴や看護処置で問題になったこともありませんでした。
チーム医療とは、医師がヒエラルキーの頂点に君臨することではなく、全ての職種の人々が同等の立場であり、お互いにプロとして意見を自由に言い合える関係においてなされるものです。
だからこそ、誰もが患者さんのために一番良いと思うことを話せる体制作りが必要なのでしょう。
そういう意味では、ケアマネさんや他職種の方々にはとても協力して頂けました。
サービス担当者会議を私が訪問する時間に合わせてして頂けることが多かったです。これは、顔の見える医療を心掛けていた私にとって、患者さんに関わる皆さんとお会いでき、とても有難い場でした。
また、独居で認知症のある方の在宅での生活について質問がありましたので、そのことも書かせて頂きます。
私が診させて頂いた方は、火などの心配はありませんでしたが、自分で買い物に行くため、冷蔵庫の中の食べ物が賞味期限を過ぎたものが多く、しかも買い物に行くと家に帰って来れない事もよくありました。
冷蔵庫の中の整理はヘルパーさんにして頂き、安全のために毎日誰かが訪れるようケアプランが立てられました。
しかし、一番驚いたのは、サービス担当者会議。私の訪問時間に合わせてやって頂けたのはもちろんですが、その会議にすぐ近くの交番から警察官もやってきていたのです。ケアマネさん凄いなぁと心から尊敬しました。警察の方もその患者さんのことは理解して下さって、もし見かけた時には声をかけると話して下さいました。
地域医療の醍醐味は、地域ぐるみで患者さんを守れる事。
近くの大学病院や一般の病院の先生方や事務長さんともよく話しました。そうやって多くの方々と繋がりを持てたことは本当に幸せでした。そして何よりも嬉しかったのは、その繋がりを知り、安心して過ごせた患者さんやご家族の笑顔でした。
私など大した事はできなかったけど、こういったエピソードを話すと、チームになれるよう頑張ります!と言ってくれる医療福祉者が周りにいてくれて、ちょっぴり嬉しくなります。
でも、一番嬉しいのは、やっぱり自分が訪問診療医として復活できること。
これを書きながら、ALSの治療薬ができる事を期待し、その日が来るのを楽しみに待っています。
書き込んでくださる方、メッセンジャーでメッセージを送って下さる方、熱いメッセージをありがとうございます。医療福祉者において最も大切なものは、やはり人間性でしょう。私が今働けない分、是非私の分まで患者さんのために日々努力してください。今ある自分は、まだまだ未熟だと言い聞かせ、さらなる飛躍を求めて学んでください。
信頼と安心、それこそが医療福祉の根幹ですから。