今になって思い出した

診断を受ける前日の出来事。




その日には自分がALSだと
いうことを99%分かっていた。

・入院計画書に
「運動ニューロン疾患疑い」
と書かれていたこと

・主治医がALSの名医であること

・次の日、家族が呼ばれて
カンファレンスが行われること


震えが止まらなかった。

震えあがるってこのことかと
人生ではじめて知った。


誰かと話したくて

でも家族には言えない

って思って

近くにいた看護師さん

を捕まえて泣きついた。

「私、自分の病気
 分かってしまいました。

 子ども、まだ3歳で、

 あと、


 もう一人


 子ども産みたかった」と。

看護師さんは黙って
話を聞いてくれていた。


もう一人、産みたかった


なんて高望み

とっくに忘れていたけど

今になって何故か思い出した。




夫も結婚当初から

子どもは二人がいいと

言ってたから

叶えられなくてごめんね。


でも、

娘がいてくれてよかった。

病気になる前に

子ども産めてよかった。