1年以上前に”ブラック・ジャックと筋萎縮性側索硬化症”というタイトルで、ブログを書きました。

 

 

最近話題のALS女性に対する嘱託殺人容疑で医師2名が逮捕された事件。

内1人が「ドクター・キリコになりたい」という考えの医者だったからなのか、事件後からこの記事へのアクセス数が上がってました。

 

ブラック・ジャックのALSの回、『未来への贈りもの』にはドクター・キリコは出てこないけど、ブラック・ジャックは未来の医療に望みを託します。

 

出典元:https://www.akitashoten.co.jp/special/blackjack40/111

 

 

今回の事件については私は何とも言えない気持ち。

 

もしパパがALSじゃなかったら、今回のニュースみても「なんかヤバイ医者なんだなぁ」とか「怖い病気だなぁ」いう感想しかなかったかもしれない。

てか正直、この事件自体にそこまで興味もなかったかも。。

 

 

私はALS患者本人ではないけど、ALSがどれだけ酷く辛い病気か知ってしまった今は、今回、死を選んだALS女性の気持ちも分かる気がするし、自分がもしALSになったら死にたくなりそうって考えることもある。でもALSの家族としては絶対に死んで欲しくないという気持ちが1番にある。

 

 

この事件については、ALSのパパとは何も話していません。

毎日のようにLINEはしているけど。

 

もしこの事件が帰省中に起こっていたら、一緒にテレビのニュースを見ただろうし、話題にしたと思うけど、なんか悲しいニュースすぎて話題にしたくない。

嘱託殺人と安楽死とかの問題よりも、ALSの辛い現実を突きつけられる。

 

姉も「パパ大丈夫かな?このニュースでネガティブになってそう。。」と私に連絡してきて、不安になった。

 

パパがこの事件についてどんな考えを持っているか分からないけど、死を望んだ女性の気持ちに共感するんじゃないかと思うと怖い。

 

何が良くて悪いのか。本当にわからなくなる問題。

延命は選べても、安楽死は何故ダメなのだろう?

 

 

私自身はパパには人工呼吸器をつけて延命して欲しいと思っているし、パパも今のところそう考えている様子。というかALSと診断された直後から、人工呼吸器を選ぶようなことを言っていた気がする。

 

でもそうなる前に「やっぱ辛いから死にたい。やっぱり延命しない。」とか言うこともあるかもしれないって思った。もしかしたら人工呼吸器をつけても途中で「死にたい」とかいうかも。

そうなったら言葉なくしてしまいそう。。

 

前向きに楽しそうに生きているALS患者さんも沢山いるけど、それってすごく難しいことだと思ってしまうのは私がネガティブな性格だからなのかな。

 

 

昨日のとくダネに出ていたジャーナリストが言ってた。「医学は進歩しているから、治らないとは限らない。そういう希望も我々は持ち続けなきゃいけない」って言葉。

私もそう思う。でも「死にたい」って思っている人からしたらこんなの綺麗事にも聞こえそう。。

 

 

嘱託殺人と安楽死は別物だけど、今回の事件で私の中で様々な考え方が生まれた。答えなんか出ないけど。

 

 

ただ、今回の事件で死ぬことを望んだのはALS患者本人ということを忘れずにいたい。

 

「死を望む」という、それだけの苦痛が今後パパにも訪れるかもしれないということ。

 

なんだか今まで以上にALSが怖くなってしまった。でも私が感じるのは『家族としての恐怖』でしかない。パパはもっと怖いだろうな。

 

嘱託殺人とか安楽死よりも、ALSの残酷さが私にはショックだった。

本当にイヤな病気。

 

 

 

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