数年前に某大手登山用品店のメールマガジンを担当していたころの原稿が出てきました・・・・。
トレラン界の事情は変わってないですね。
もうメルマガって、ポケベルくらい懐かしい・・・。k
私のオキテ
ここ数年、山を走っている人を見かけることが多くなりましたね。いわゆるトレイルランナーです。正直なところ、登山をしている方々にとって、あまり好ましくない存在でもあるようです。トレイルランナーの端くれであり、普通に山を歩く山岳ガイドでもある私としましては、どちらの立場にありますので、いろいろ考えることはあります。
まず嫌がられている理由の一つに、ランナーは速いのでぶつかりそうで怖い。というのがあります。実際ぶつかれば危ないです。それと高速道路でブッ飛ばしている車を見ると、「覆面パトに捕まればいいのに・・・。」と思う、あの感情にも似てます。(笑)
ここはトレイルランナー側が、登山者を見つけたら減速し、早めに声をかけて、脇を通らせてもらうという、基本中の基本で解決するしかないのですが、それだけでは、まだまだ。もう少し繊細な配慮が必要だと感じます。
人の少ない山域では、後ろから声をかけられるだけでビックリする場合もあるので、出来るだけ遠くから足音をわざと大きくしたり、木を揺すったりして気づいてもらうように気をつかいます。さらにゼェゼェと激しい呼吸をしていると、ノンビリ歩いている人にとっては不気味なので、歩いている人と同じようなレベルまで呼吸を戻します。汗を飛び散らしてしまったら完全に失格。
さらに抜かせていただいた後は、しばらくは加速せずスロージョグ風に走ります。ここで「見ろっ!俺は速いんだぜっ」的に加速する人は、ランナーとしても人間としてもまだまだ未熟。後ろ姿で、「僕は走っているけど、登山者と同じように山が好きです・・・。」というメッセージを伝えることが出来れば、登山者にも共感してもらえるはず。離れて見えなくなったら加速すればいいのです。
もう一つランナーが嫌われる理由は「軽装で山に来るな!危ないから・・・」というのがあります。これも本当にその通り。里山ならまだしもアルプスなどでは危険です。ペラペラのジャケットなどは、全くと言っていいほど役に立たない悪天はよくあること。だから装備は軽量化したとしても、「野生動物の如く、鍛え上げた身体も装備ですっ!」と思えるほどのトレーニングと経験を積んでから走りましょう。
結局のところ、マイノリティーであるトレイルランナー側が、自分自身を鍛え上げて、他の登山者には優しくなろう!という「オキテ」というよりは、当たり前のお話でした。ちゃんちゃん。