1日目より続く)

京都アニメーション「響け!京都から世界へ編」の2日目は、アニメ「響け!ユーフォニアム」公式吹奏楽コンサート「北宇治高校吹奏楽部 第二回定期演奏会」の昼・夜公演。

 

「響け!-」は昨年秋に第2期TVアニメが放送、その映像に多くの新作カットを加えて再構成した映画「響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~」が今まさに絶賛公開中というタイミング。この映画は、主人公が同じ吹奏楽部のユーフォ奏者の先輩と心を通い合わせていくさまを吹奏楽のリアルな演奏シーンと共に描くもので、劇中曲とキャラクターの心情が完璧にシンクロした素晴らしい作品です。

 

今回のコンサートではその2期の吹奏楽曲を中心に構成。演奏は作品でも実際に演奏した洗足学園音楽大学フレッシュマン・ウインド・アンサンブル2016の皆さん。主題歌を歌うTRUEさんも出演します。

こんなスペシャルなコンサートで、昼の部の座席は運よく会場中央。すべての奏者の顔が見え、トランペットやトロンボーンの口も真っ直ぐ向いてくれるという夢のような良席でした。これはもう全身で音を受け止めるしかない!と気合いが入ります。

 

開幕して緞帳が上がると楽団と共にTRUEさんがステージ中央に。うわ、いきなりかよ!と思う間もなく1曲目【サウンドスケープ】。のっけからTRUEさん熱唱です!

 

いつものライブもすごいんですが、吹奏楽をバックにした歌声は別次元の迫力。ホールの良さも相まってまさに「響け!」という感じで声が響き渡りました。吹奏楽の壮大なダイナミックレンジに負けないこれだけの声が出せるとはさすがです!

 

この歌の歌詞は物語のテーマである届けたい・伝えたい・叶えたい想いというのを見事に昇華させていて、TRUEさんがひと言ひと言丁寧に歌い上げるのを聞くと物語のシーンの数々が思い出されて、もうすでに感動がこみ上げてきました(^^)。

 

歌が終わると会場は大拍手。それとともに進行を努める声優キャストが登壇。

黒沢ともよさん(黄前久美子 役)
朝井彩加さん(加藤葉月 役)
豊田萌絵さん(川島緑輝 役)
安済知佳さん(高坂麗奈 役)

の4人です。メイン司会は豊田さんが受け持ち、楽曲の解説やそれにまつわるエピソード、4人の感想などを交えて楽しく進行です。

 

楽曲は次の通り。

【ダッタン人の踊り】

2期前半で中心となる部員、傘木希美と鎧塚みぞれが中学時代に演奏した曲。それぞれの担当楽器であるフルートとオーボエが際立つ。

【学園天国(チームもなかVer.)】

コンクール出場メンバーの選にもれた部員で構成する「チームもなか」が関西大会出場を祝して演奏した曲。実際の演奏者もそのメンバーに合わせて少数編成。

【Starting the project 三年生Ver.】

卒業祝賀で三年生が応えた曲。これも三年担当のみで編成。

【アメリカンパトロール】

久美子の姉が小学校の時に演奏した曲。この時の姉のトロンボーンを聴いたことが久美子が吹奏楽をやるきっかけになった「ある意味、響け!ユーフォニアムの始まりの曲」とは黒沢さんの弁。これも金管パートのみで編成。

 

ここでスペシャルゲストにプロのユーフォニアム奏者の円能寺博行さんが登場。2期および映画「届けたいメロディ」の最大のテーマである、田中あすか先輩が吹く父から贈られた曲【響け!ユーフォニアム】を、柔らかく優しい音色で情感たっぷりに演奏されました。

円能寺さんは本編でもこの曲の、あすかが久美子に吹いて聴かせるシーンの演奏を担当されたとのこと。もう聴いたらたまりません。

 

そしてせっかくなのでもう一曲。豊田さんが「第2期中心とは言いましたが2期しかやらないとは言っていません!」ということで、1期に

久美子と麗奈が距離をぐっと近づけた時の名曲【愛を見つけた場所】を。これにはトランペット奏者としてフレッシュマン2014から冨岡愛彩美さんも加わり、二人で息のぴったり合った演奏をしてくれました。冨岡さんは1期ではトランペットのソロパート対決で麗奈と競う中世古香織のトランペットを担当。

円能寺さんは1期の時もこの曲でユーフォを担当されていたそうで、演奏後、この作品でユーフォニアムという楽器が広く知られて嬉しい。作品と共にこの楽器をよろしくお願いします、というユーフォ愛にあふれたコメントが印象的でした。

 

次はフルバンド演奏に戻り、劇中の学園祭で演奏した2曲。

【君は天然色】と、【学園天国(Full編成 Ver.)】。学園天国は先ほどのもなかVer.と違ってスケールアップして別物でした。

 

ここで15分の休憩を挟み、後半へ。

 

スタートは【宝島】。劇中での駅ビルコンサートの曲ですが、ここからはバックにスクリーンが下り映像が流れます。これが見事すぎ。演奏シーンをまんま流せばズレが気になりますが、そうならないように他の思い出シーンをちりばめ、しかも曲の山場のところ、特にソロパートはジャストの絵をタイミング良く映し出すという凝りよう。完全に計算されていました。

そうでなくてもこの曲は自分の一番のお気に入りで、劇中で部長の小笠原晴香が悩みの末にバリトンサックスのソロを吹ききるシーンを始め、各登場人物のいろんな想いが交差する中での演奏でとても感動します。それを生でやってくれて最高の気分でした。

(ちなみにこの駅ビルコンサートは実際に京都駅で行われるコンサートで、劇中のステージや駅の構造物は京都駅を完全再現。京都駅で聖地巡礼もしてきました(^_^)v)

(▲残念ながら台風で中止とか)

 

さてコンサートも大詰め、コンクールの勝負曲を2曲。

課題曲【プロヴァンスの風】そして自由曲【三日月の舞】。

いやー迫力あった!生演奏でこういう派手な吹奏楽はいいですね~。脳裏にアニメのシーンを思い浮かべつつ音を受け止めました。


カルテットの4人はMCで各楽器やパートに掛けて奏者を交えながらトークしてましたが、この三日月の舞では久美子が苦戦したフレーズを演奏してほしいと希望。ユーフォの三人が見事に難しいフレーズを演奏してくれました。黒沢さんは、自分は吹いていないけれど久美子と一体になっているので出来たときは吹けた気になった。だからそれを聴けて嬉しい、というコメントを。

声優も演奏者もキャラクターと一つになっているのがこの作品のすごさを生むんだなあと思いました。

 

さていよいよ最後は北宇治カルテットの持ち歌【ヴィヴァーチェ!】を吹奏楽で。ヴィヴァーチェは「生き生きと」という意味ですがこの歌の裏テーマは「お別れ」。卒業する先輩、特に田中あすか先輩とのお別れを歌った歌です。ちなみにこの曲のCDジャケットは久美子たち4人が写っている写真を誰かが持って見ている場面なのですが、それが実はあすか先輩だということで、なるほど。

なお、このヴィヴァーチェだけは特別に、演奏と共にバックで流れた映像が公式で公開されています。ぜひご覧ください!

各パートのメンバー紹介(1期のアイキャッチカード)に、その演奏カットをつなげたものです。この演出はコンサートそして2期までの締めくくりとして最高だと思います。

 

演奏後、会場は万雷の拍手。アンコールを求めるというよりも、素晴らしい演奏に心からの拍手を送っていた感じです。

 

そしてアンコール。再び円能寺さんも登場し、【響け!ユーフォニアム(Wind Orchestra Ver.)】。ソロではなくユーフォをリードとした吹奏楽で聴かせます。これも良かった~。

ここまでもう何回泣いたか分かりませんが、とどめはTRUEさんの【DREAM SOLISTER】。これもジャケット衣装に着替えての出演。

もう感極まってしまってどうしましょうという感じで、コンサートは終了しました。前日に続いてまたも放心状態です。

 

夜の部も構成は同じでMCの内容が若干違うくらい。席の位置が変わったこともあり少し気楽に聴きました(でもまた同じように感動)。

なお今回、単眼鏡(片目のオペラグラス)を持って行って大正解。昼は使わず、夜は演奏中やMCの時にたまに使って表情などをはっきり見ることが出来ました。

 

2日間、本当に充実した素晴らしい時間を過ごせて幸せでした。スタッフさんとすべての出演者の皆さんに感謝です。お疲れさまでした!ありがとう!