崩壊した土砂に乗り上げ普通列車脱線・4名負傷
平成22年07月31日(土曜日)07時34分頃、東日本旅客鉄道管内岩泉線押角~岩手大川間(単線/非電化)の第一大渡トンネルを出て下り勾配・急曲線(下り25パーミル/最小半径250メートル)区間を抑速走行中の茂市07時01分発岩泉行下り普通第683D列車(気動車キハ110-133号1両/運転士・車掌及び旅客7名の計9名)運転士が、第二大渡トンネル手前にある落石覆出口軌道が崩壊した土砂(高さ約15メートル/幅約10メートル)に埋没しているのを視認、崩壊箇所から手前約50メートルの位置で非常停止措置を取ったが間に合わず土砂に衝突、乗り上げて進行方台車が脱線、また衝突の衝撃で前面運転室ガラスなどが破損し停車した。
この事故で、転倒するなどして運転士と旅客3名の計4名が負傷したがいずれも軽傷。
現場は宇津野沢と呼ばれる深い渓谷で、近くに国道第340号線があるものの、崖が急峻な為に線路伝いに現場に到着した救急隊員や警察官・東日本旅客鉄道職員など11時過ぎに救出し、旅客7名全員を保線用モーターカーで搬送した。
救援が到着するまでの間、車掌は負傷旅客の応急措置を行い、また運転士は列車無線・携帯電話が使えない箇所だった為に負傷しつつも約200メートルを歩いて鉄道電話ボックスまで行き、事故を通報し再び列車に戻った。
事故当時、現場で降雨は無かったが、前日には24時間で約120ミリの降雨があり、またここ近年の地震による地盤の緩みなど複合的原因で発生したとする声もある。
最近の鉄道趣味ブーム、とりわけ「秘境駅」が静かなブームだが、この日の683D列車にも三重県などから鉄道ファンが乗車していた。
同社盛岡支社では岩泉線全線で終日運転を取り止めた。
この事故に関連して別の「問題」が浮上した。
同社ホームページに於ける「運行情報」には「平常通り」とあり、ニュースを知らないで出掛けて現地なりで運転取り止めを知った鉄道ファンが少なからず居たのである。
インターネット等で相談を受けた特定非営利活動法人交通文化連盟鉄道輸送警備隊では急遽情報を収集して、終日運休である事を返信したが、土砂災害による終日運転取り止めは「平常」などでは無い。
どんな意識が働いたのかは不明だが、本件事故では国土交通省運輸安全委員会の調査官2名も派遣されている「非常事態」である。
災害による運休は悪事では無いが、それらの情報を的確に広く知らしめる事こそ、公共交通機関の責務のひとつでは無いだろうか。
一方で国鉄盛岡鉄道管理局は災害の多い管轄であった伝統から、職員の職務意識は高い。
昭和30年初頭には三陸地方で実際に発生した雪崩による列車転落事故をモデルとして映画にもなった程だが、孤立無援の約2時間に車掌やとりわけ運転士の行動は「当たり前」と思われるものの実際にその現場に直面すれば行動するのは容易では無い。
そんな「当たり前の鉄道屋」の行動に大いに賞賛を送りたい。(トレインタイムス転載)
平成22年07月31日(土曜日)07時34分頃、東日本旅客鉄道管内岩泉線押角~岩手大川間(単線/非電化)の第一大渡トンネルを出て下り勾配・急曲線(下り25パーミル/最小半径250メートル)区間を抑速走行中の茂市07時01分発岩泉行下り普通第683D列車(気動車キハ110-133号1両/運転士・車掌及び旅客7名の計9名)運転士が、第二大渡トンネル手前にある落石覆出口軌道が崩壊した土砂(高さ約15メートル/幅約10メートル)に埋没しているのを視認、崩壊箇所から手前約50メートルの位置で非常停止措置を取ったが間に合わず土砂に衝突、乗り上げて進行方台車が脱線、また衝突の衝撃で前面運転室ガラスなどが破損し停車した。
この事故で、転倒するなどして運転士と旅客3名の計4名が負傷したがいずれも軽傷。
現場は宇津野沢と呼ばれる深い渓谷で、近くに国道第340号線があるものの、崖が急峻な為に線路伝いに現場に到着した救急隊員や警察官・東日本旅客鉄道職員など11時過ぎに救出し、旅客7名全員を保線用モーターカーで搬送した。
救援が到着するまでの間、車掌は負傷旅客の応急措置を行い、また運転士は列車無線・携帯電話が使えない箇所だった為に負傷しつつも約200メートルを歩いて鉄道電話ボックスまで行き、事故を通報し再び列車に戻った。
事故当時、現場で降雨は無かったが、前日には24時間で約120ミリの降雨があり、またここ近年の地震による地盤の緩みなど複合的原因で発生したとする声もある。
最近の鉄道趣味ブーム、とりわけ「秘境駅」が静かなブームだが、この日の683D列車にも三重県などから鉄道ファンが乗車していた。
同社盛岡支社では岩泉線全線で終日運転を取り止めた。
この事故に関連して別の「問題」が浮上した。
同社ホームページに於ける「運行情報」には「平常通り」とあり、ニュースを知らないで出掛けて現地なりで運転取り止めを知った鉄道ファンが少なからず居たのである。
インターネット等で相談を受けた特定非営利活動法人交通文化連盟鉄道輸送警備隊では急遽情報を収集して、終日運休である事を返信したが、土砂災害による終日運転取り止めは「平常」などでは無い。
どんな意識が働いたのかは不明だが、本件事故では国土交通省運輸安全委員会の調査官2名も派遣されている「非常事態」である。
災害による運休は悪事では無いが、それらの情報を的確に広く知らしめる事こそ、公共交通機関の責務のひとつでは無いだろうか。
一方で国鉄盛岡鉄道管理局は災害の多い管轄であった伝統から、職員の職務意識は高い。
昭和30年初頭には三陸地方で実際に発生した雪崩による列車転落事故をモデルとして映画にもなった程だが、孤立無援の約2時間に車掌やとりわけ運転士の行動は「当たり前」と思われるものの実際にその現場に直面すれば行動するのは容易では無い。
そんな「当たり前の鉄道屋」の行動に大いに賞賛を送りたい。(トレインタイムス転載)