十四(とし)重ね 思いを抱き 春の野に 淡き憧れいつぞ夢見し
十四歳の頃、明確に国鉄マンになりたい!
なんてぇ思ったもんでやす。
それも上野駅に勤めたい、ってねぇ。
一年半経って、まさかよもやその場所に居て、酔っ払いの相手をしているなんざぁ、想像も付きませんでしたがねぇ・・・
弱冠の秋も深まり我が道に 迷うも進まん 北の海鳴
弱冠ってぇのは、二十歳の事だそうで・・・
二十歳の秋深く、いきなりの蒸気機関車ってぇのは無謀、なんてぇ事でして、ともかくも「列車運営」を体験しようじゃ無いか、ってな事になりまして、北海道でのイベント列車を画策していたモンです。
無事に走ったんですが、この「そらち」号が小生にとって、大きな転換点になった事は間違い無いんですね。
今、考えても若い頃ってぇのは、怖いモンを知らネェんですね。
その突っ走る情熱が、結果として大きな流れに自分を誘導して行ったんでしょうネェ・・・
止め処なく 吹雪に流し涙にも 決意の汽笛 遠く響くや
日本最大最速最美の蒸気機関車・C623機が自分の力で走る・・・
それを夢に見て七年。
現実に夢が適った瞬間ってぇのは、何と感動的なんざんしょうネェ。
同時に我が故郷「国鉄」も消えたんですが・・・
そのごっちゃになった感情が、涙で噴出しましたねぇ。
人となり 季節も同じ秋も過ぎ 行く恋も散る寂しき夕べか
人間にも季節があるんですね。
長い時間で見る季節と、短く繰り返される季節。
そのどちらにも春夏秋冬がございまして・・・
生老病死、まぁ仏法でいう成住壊空(じょうじゅうえくう)ってぇ奴ですが、
この冬ってぇのが、嫌なモンですが大事なんだぁそうです。
逃げ回っていても、冬は冬。
そう覚悟した人は、春が早く訪れるんですねぇ。
小生なんか逃げてばっかりでしたもの。
雪まとい 我が戦友(とも)の声今に聞く 我今一度此処に立たんと
で、逃げた挙句に折角実現した夢は潰えて、
友人も恋人も失い・・・
社会的地位から銭まで失いまして、今や単なる嫌味なオッサンですよ。
そんな小生にも、戦友として駆け回った大切な人や、あの蒸気機関車は語り掛けてくれるんですよ。
まぁ迷惑に感じる事もございましたが、
それが生存と存在の理由だったんですねぇ。
凍え行く 黎明の朝 寒空と 言うも梅花のつぼみ膨らむ
単なる慰めじゃ無くてねぇ・・・
今日当たりも随分冷えますよね。
この寒さがスイッチになって、花々は開花の準備をするんだそうです。
人間も同じなんでしょうか。
我が大義 命と換えて惜しみ無し 朽たさむよりは咲いて散るべし
結局、こんな馬鹿にも役回りの巡って来る事ってぇのはございまして・・・
もう次の世代にこの思いを託す準備をしなきゃ、なんてぇ密かな覚悟をしておりましたら・・・
しかし、周囲をみればあの感激の涙を流した時に周りに居た人々は多く居ないんですね。
何より、もうこの世に居ない人達が・・・
同義的ても、格好付でも無くて、追い詰められて、まあ自業自得で追い込んで・・・
結果としてよくよく周囲を見渡すってぇと、
どうも小生の好い加減且つどうしょうもない人生と時間は、
その新しい時間の流れを作るのに何やらちょいと必要なんだそうです。
それを大義と、まぁ言ってみますが、
こんな好い加減能天気野郎でさえ、そんな「世間様に不可欠な役回り」ってぇのがあるんですからネェ。
これをお読みの皆様に、そんな「必要」が無い訳、無いじゃ無いですか。
寒い時、苦しい時、まぁ冗談でも言ってじっと耐えて見ましょうや。
ただ・・・
風はちゃんと見ませんとね。
いい風が吹いてきたら、んな格好やら体裁やら気にしねぇで、
アラヨッ
って、風に乗って飛び回りましょうぜ。