一人で飲める? ブログネタ:一人で飲める? 参加中

 上野駅からアメ横へ南下しまして、高架第5ホームから続く秋葉原電留線の下に昔、朝から開いている立ち飲み屋がございまして、ここには濁酒が幾つか置いてございました。

 泊まり明けの後、ちょっと一杯ここで引っ掛けて帰るってのが月に二・三度ございました。

 お目当ては会津系濁酒で、何故か必ず最低一銘柄はあったんですね。

 旅に出て、何が楽しみかと言えば、食べる事が主でして・・・

 宿や夜汽車で、買ったばかりの地酒を開けて・・・

 これが何より楽しみでした。

 特別に飲み屋に出掛け・・・なんて、余りございません。

 むしろ、自室で一杯ってぇのが好みで・・・

 北海道空知管内・上砂川町のJR上砂川駅付近で一日ぼんやりし、最終列車を見送った後、道路に沿って砂川駅まで歩いて「夜行札幌行」を目指した時の事です。

 秋も深い頃で、かなり寒くなって参りまして・・・

 財布には三千円だけ・・・

 銀行に行くのを忘れてしまったのがそもそも悲劇の始まりで、まぁ宿に泊まらず一日・・・本当に一日街の中を歩き回るってぇのが好きなモンでしてね・・・

 上砂川駅は「馴染み」でございまして、国鉄最後の夏にここへイベント団体列車「そらち」を入れ、以来御挨拶もせずに随分とご無沙汰したもので・・・

ap2135 ←キハ22カーペットサロンカーによる「そらち」。1986/08/16。

 ところがお顔を存じ上げていたのは数人だけ・・・

 街は確実に「細身」になっていたのですね。

 歩けども歩けども砂川駅は遠く・・・

 ようやく市街地に入ったのは午前1時位でした。

 と・・・

 一軒の焼き鳥屋さんが開いていたんですね。

 思わず飛び込んでしまいました。

 切符だけは買って置きましたから、これで札幌を経由して小樽へ戻れば銀行が開いている!

 そう、日曜日から月曜日の間のお話なんです。

 この日~月間は飲み屋さんのみならず、案外休業や早めの終了ってのが多くて・・・

 とにかく開いていたのはそこ一軒。

 オヤジさんと常連さんの二人だけの小さな店でしたが・・・

安房守義将 小生「濁酒と・・・モモ、レバ、つくね・・・2本づつ・・・」

役人衆10 店主「あいよ・・・お客さん、ここいらの人で無いね・・・」

安房守義将小生「はい・・・東京から・・・まぁ、この夏から小樽に居たんですが・・・」

評定衆1 常連「小樽かい?あっちは観光客が沢山来てるしょ?」

安房守義将小生「はい・・・ああ、でも運河の辺りだけですよ。」

 そんなこんなで三人での談笑が始まりまして・・・

 ともかく、小生にとても興味がおありなのか、喜んでお話を伺って頂けるのです。

役人衆10常連「へぇ・・・SLねぇ・・・オレのオヤジも国鉄居たんだぁ。」

安房守義将小生「そうなんですか!」

役人衆10常連「滝川の機関区ね、オレは違うけどね・・・」

評定衆1店主「そう・・・ウチの子供連れて去年乗ったよ・・・」

安房守義将小生「そうなんですか!それはありがとうございます!」

 なんて話から「そらち」の話に・・・

役人衆10常連「そうかい、じゃアンタは砂川の功労者だな!」

評定衆1店主「世の中には色んな仕事があるんだねぇ・・・でも無料奉仕じゃ大変だぁ・・・」

役人衆10常連「オヤジさん、あと1本と焼き鳥5・6本、この人にね・・・」

安房守義将小生「いや・・・それは・・・」

評定衆1店主「良いじゃ無い・・・じゃ、さっきの一杯はオレの奢りね。」

安房守義将小生「それも・・・いや・・・」

評定衆1店主「景気が良いのは都会だけ、こっちは不景気な話ばかりでね・・・」

役人衆10常連「そう、それでいい話を聞かせて貰ったんだから、講演料だな!」

 で、結局小生は千円しか払わなかったんです。

 後年、もう一度探したのですがどうしても見つからず・・・

 空きっ腹に濁酒2杯は効いたんですが・・・

 それ以上に、人の暖か味に酔いました安房でございました。