大切な御愛読者様からのリクエストにお応えいたしまして・・・


 それは不思議な光景で御座いました。


 その瞬間の、まさにそのシーンは、今も脳裏に焼き付いて離れません。


 怪奇でも、超常現象でもございません。


 ただ、神秘と言う言葉が、まぁ一番適切でございましょうなぁ。


 昭和56(1981)年8月13日から31日まで、当時国鉄上野駅学生アルバイト仲間=現在の交通文化連盟の母体となります「日本トレインクラブ」の連中で、北海道均一周遊券・・・まぁ「北海道ワイド周遊券」との商標で販売されておりましたキップだけをもって、北海道三昧の旅行をしようと画策致しまして・・・


 参加したのは、小生と後に営団(現・東京地下鉄)に入るF君、電気関係に勤めるガメさん、岩倉高校生徒で、小生の松戸六中先輩筋にあたる後に国鉄に入る山さん、同じ中学で現在、トミー関連の出版物などで活躍しているカメラマンのまーちゃん、やはり一級上の後に東急に入るTさんの6人でございます。


 行程はおのおのバラバラでございまして、ただ「集合地点・時刻」を幾つか取り決めておりまして・・・まぁそれぞれ趣味ってぇモンがございますからねぇ、おのおの好みに任せたルートで楽しもうってな嗜好でございました。


 小生は8月13日上野07時00分発常磐線特急第4001Mひたち1号」で出掛けまして、営業していない食堂車に陣取りまして平(現・いわき)で、上野発仙台行普通第221列車に乗り換えて・・・と、早速変態チックな旅を・・・・


 この年、北海道は集中豪雨と台風で大きな被害を受けていますが、我々が渡道する直前に日胆地方で集中豪雨がございまして、日高本線が寸断されておりました。


 日高門別から先はバスで代行となっていたものの、苫小牧から入って襟裳岬を堪能し、帯広から夜行急行第418列車狩勝8号」で札幌に入りました。


 台風15号の先鋒と相成ります強い雨雲が掛かり、胆振地方で集中豪雨があったと帯広で知りまして、前日は室蘭線も抑止されたとか。


 札幌の空はどんよりと曇りまして、ちょいと肌寒いくらいでございました。


 8月21日早朝、急行第418列車・スハフ441号・・・・


 後々、蒸気機関車C623機計画に関わりまして、このスハフ441号は「SL用客車」として生き残りまして、幾度も乗務する事となるのですが・・・


 ここで「キハ82形式」と、レトロ客車に乗りたくって岩見沢まで往復しておりますが、問題はその後でございます。


 岩見沢から手稲行普通第828列車・オハ36502号を飛び降りて、札幌駅1番線で旭川発室蘭行特急第1004M列車ライラック4号自由席・モハ781-2号に乗りまして、札幌を出たのが09時30分でございます。


 千歳空港(現・南千歳)までは飛行場利用旅客が多いものの、そこから先はまぁ、着席出来たものでございます。


 何せ、この日の午前1時過ぎに帯広から夜汽車での「泊まり明け」にございます。


 ついついウトウトと・・・


 それでも苫小牧で目が覚めまして、小生の定番でございます


「サーモン寿司」(500円)


 を買い入れて、食べだした頃でございます。


 進行左側に座りまして、車窓に展開する内浦湾と曇り空、時々落ちる小雨が気になりましたが・・・


 国道36号がちょいと遠のいて、手前に牧草地が現れまして・・・


 と・・・


 牧場なんでしょうねぇ・・・


 多分、前日の豪雨の影響なのでしょうか・・・


 一角に小さい池が出来ておりまして・・・


 その池に半身沈んだ馬が一頭、倒れておりまして、


 その直ぐ後ろに白馬、或は白に近い毛色の馬が一頭、立っているのです


 そして、その後に扇状に多くの馬が並んでいるのです。


 そして、そのすべてが、首を地面に付けているのです


???????


 何だろう・・・


 白老の駅の手前でした。


 小生は呆然としたまま、室蘭へ行きました。


 11時20分に室蘭着。


 本当は地球岬に行こうと思っていた様子ですが、小生はさっきの光景がどうしても気になりまして・・・


 そのまま荷物を置いて、車掌に断ってからこの列車の折り返しとなる特急第1007Mライラック7号」11時45分発の旅客となっておりました。


 座席もそのまま、方向転換しただけです。


 定刻に出発した1007Mが12時20分頃白老駅を通過しまして・・・


 再びその現場に・・・


 すると、さっき見たままの姿で、形態で・・・


 勝手な感情も入ってますが、それはまさに葬儀です。


 彼等の哀しそうな背中、そう印象がございます。


 小雨が降っていた筈です。


 前回の1004M白老10時41分発ですから、最低1時間40分はそのままで居たのでしょう。


 不思議な


 いゃ、とても不思議な光景でした。


 最近、このブログを始めまして、そんな小生と動物たちの不思議なお話を書き残すってな事で、調べましたらどうもその現場は


「白老ファーム」


 かその前後の酪農家と言うところまでは判明致しました。


 目撃後に小生と同行した仲間や、母親にも話しておりますし・・・


 また8月22日から24日夜まで台風15号の直撃を受けて道内国鉄は全滅的となりますが、運転再開後、帰る前の29日にもライラックで札幌・室蘭間を往復して「現場確認」をしておりますから、幻でも、寝惚けていたものでもなさそうです。


 どなたかお心当たりの方、ご指導を賜りたく存知ます。


 しかし、それは神秘でした。


 そして崇高な姿でございました。


 友であれ親子・兄弟であれ。


 畜生と言うもその生命は人も同じでございます


 その「生命に人畜の差は無し」と言う事を教えてくれた17歳の夏休みでございました。


※正確を期するべく列車番号・車番・時刻を記載しましたが、一部は57年7月時刻表での記述でございますから差異があるやも知れませんが、ご承知置きください。