愛を叫ぶならどこ? ブログネタ:愛を叫ぶならどこ? 参加中

 この一つ前の内容に続いてのドラマ制作現場ネタでございます。

 テレビドラマのロケ。

 小生が制作スタッフとして現場に出ていた頃は十人前後が標準でしたが、某準国策放送の場合は二十人くらい、小さな下請制作会社の低予算番組では四人が最低でしたねぇ。

 大きいものは記念特番系ドラマ・・・なんてぇのになりますと、やはり現場の人数も仕掛けも規模もちょいと違うものですが、キチンとしたプロデューサーさんですと主要なスタッフさんとの交流の場を収録前に設けて、意思の疎通を図ったりしていらっしゃいました。

 未だバブルの陽だまりの中で能天気だった日本のお話でしたから、なかなか皆様羽振りも宜しく、小生なんぞ自腹で飲食なんて殆ど無かったものです。

 この時期を基準としますと、現在はほぼ半分になったとも伺う「制作費」。

 タクシー屋さん達がため息を付かれるのも納得でございます。

 とある現場でのお話です。

 現在では有名になられた女優さんと、最近は拝見しない俳優さん。

 この日のロケは真冬の東京駅丸の内中央口・・・貴賓室玄関前で、エキストラさん二十人前後もスタンバイ。

 しかし・・・・

 御見学の皆様が・・・

 師走の週末ですから、多少お酒も入られて・・・

 監督さんがスタッフを招集致します。

「終電まで・・・待ちましょう・・・」

 で・・・午前01時。

 が・・・

 ギャラリーさんはかなりいらっしゃる。

「ここで・・・君が告白して、彼女振り返る・・・・そこへ駆け寄って抱きしめるっ!」

 出演者お二人は無口で・・・表情は硬く・・・

 いやいや・・・

 取り敢えずカメラリハーサルをする事と致しまして・・・

 あ・・・お二人とも完全にテンションは最低です。

 ドライリハーサルになりました。

 まだ・・・テンションは低いままであります。

「いゃぁ・・・参ったなぁ・・・」

 工事車両がゾロゾロと入って参りました。

「行けっ!」

 とプロデューサーさんに一言、で小生飛んで参ります。

「あの、すいませんが・・・」

 監督さんのひときわ大きな声。

「本番!よ~い!」

 ちょっと離れた場所でしたが、はっきり聞こえました。

 で・・・突然・・・・

「俺はお前が大好きだぁ~!」

 いや、かなり周囲の建物にも響き渡りました。

「カット!」

 監督さん続けて

「ダメでもお~けい!」

 こんな場合は重ねてなんて厳しいものでございます。

 ところが・・・お二人は談笑なんてしていらっしゃる。

 後で伺いましたら、スタッフ全体でテンションの低い場合は一発勝負、なんだそうです。

 そこで気合を集中して爆破させる様にしていらっしゃったとか・・・

 この寒空にスタッフは外でずっと「その瞬間」を待っていらっしゃるのですからね・・・

 それも気遣い、なのですね。

「ああ、気遣いさせちゃった???ゴメンゴメン・・・」

 役者根性とは、何と凄いものなのか、と感服した事件でございました。

 後日・・・視聴率は・・・かなり低かったとか・・・

 本当に、難しいものでございます。

 もう十九年も前のお話でございます・・・