現在鹿児島の南岸から高知の沖へ進みつつございます台風13号、正式名称は「平成20年台風第18号・シンラコウ」。


 気象庁の台風番号では第0813号となるのだそうです。


 ミクロネシアで伝説となっている神様の名前だそうでございます。


 さてこの「神様」、かなり歩みが遅いのでございます。


 に・・・しましても、随分と長い間台風やってますよね神様?


 過去の資料を拝見致しますと、第8614号・・・昭和61年8月18日15時に発生しましたこの台風、9月6日21時まで何と19日間も台風だったんですね・・・


 それには及ばないものの、9月9日03時に台風になった「神様」、太平洋高気圧が何時もと違う場所にあるためか、今年の台風達の様にフラフラと「メインストリート」には参りませんで、台湾から南西諸島をかすめて、鹿児島の南でございます。


 と・・・日本に進路変えた途端、再び成長を始めたところなんかは、「神の怒り」は日本に向いているとでも書けば綺麗なんでしょうねぇ。


 梅雨前線=秋雨前線は台風に雨やエネルギーを供給する役割も担ってしまいますから、このままですと土曜日は関東にも・・・


 更に現状では、千葉県館山付近で上陸して、安房小湊付近で再び海へ抜けると言うルートだとかです。


 ね・・・狙いは安房国だなぁ・・・


 足の遅い台風は、風の被害こそ「未だ」少ないものの、降雨量が大変なものとなります。


 まぁ、ここで一つ気象船舶業界の常識を・・・


 台風、日本で言う場合でございますが、この渦は反時計回りでございます。


 で、進路を軸として進行右手は台風の速度と、その風が加わりますし、方向が西から東へ向かっているものですと、南にあたる太平洋から湿度を吸い上げて参りますから、進路を軸として0~3時方向の降雨と風が激しいとされております。


 船乗りさん達は、台風の軸から右側を「危険半円」、左側を「可航半円」と呼びます。


 第5415号マリー」、つまり昭和29年台風第15号(9月21~28日)・・・一般的には「洞爺丸台風」と呼ばれますが、この「嵐に出航して沈没した国鉄青函連絡船遅れ第4便洞爺丸」の近藤平市船長は、一説に「天気図」と仇名されておりましたとか、今日のように気象観測体制が充実しているとは言い難い中で、26日0時には北九州い居たのに、午後には秋田沖に吹っ飛んできて、更に足踏みした、なんて超変則運航でございます。


 途中、晴れて穏かになったとの記録もございまして、大抵は


「ああ、行過ぎたのだな」


 と思うのも無理では無かったと・・・


 これで旅客満載の状態で函館桟橋を18時39分に離岸し、ベイターンをする間も無く波浪に流されて、函館市七重浜沖に、23時前頃のことと推定されておりますが、海底に突然出来た砂州に船底を引っ掛けて、ひっくり返ったのです。


 通常は船には復元力と言うものもございますそうですが、マストやらがこの砂州に刺さったのでひっくり返ったままになってしまったのだそうです。


 暫く、タイタニックミシシッピ川渡船に次いで世界第三位の海難事故と呼ばれましたが、この時犠牲になったのは「洞爺丸」1155名の他に「第十一青函丸」「北見丸」「日高丸」「十勝丸」が沈没し、全国で1761名の犠牲を出して、船舶も5581隻が被害を受けて、20万戸以上の住宅が全半壊・流失しました。


 現在では閉塞前線による悪戯と考えられておりますが、「悪魔マリー」の犠牲者の碑を函館に訪ねた時、近藤船長の遺体は、双眼鏡を握ったままだった、と言う逸話を思い出して、つい落涙したものでございます。


 シンラコウさん、頼むから大人しく過ぎて下さいましな。