今回は随筆です。


 小生、一時モノ書きに憧れまして、まぁ詩やら短歌やら、他に随筆なんぞも書いていた頃がございます。


 特には、他に何も取り得の無い小生にとっては、写真と同じで自分の解放・表現のとても貴重な機会であり、場でございました。


 しかし、特段公開するものでも無く、まぁ書いて書いて、そのままだったんですね。


 ただ、それが後々にシナリオ訂正やら、コピー書きやらに活かされたのは確かでございます。


 そんなモノ書きにちょっと錯覚の入った覚醒をさせてくれたのが、北海道を行き交っていた夜行列車なのでございます。


 その最後の列車が、ひっそりと・・・


 本当にひっそりと・・・


◎千歳・石勝・根室本線下り臨時特急第9049D列車「まりも」 札幌23時08分発 釧路05時50分着

◎根室本・石勝・千歳線上り臨時特急第9048D列車「まりも」 釧路23時30分発 札幌06時20分着


 08月31日の深夜、それぞれ出発し、定時なら根室本線で「最後の交換」をした筈ですが・・・


 「まりも」はその昔、函館本線山線と呼ばれた倶知安・小樽を経由しておりまして、日本最大最速最美の蒸気機関車C62機が重連で牽引した列車です。


 更に下っては、小生が人生最初のドラマ制作に関わったのも


寝台急行まりもの女


 ですし・・・


 小生が道均、と部内で言われておりました「北海道ワイド周遊券」で飛び回っていた頃、一番創作意欲が湧いたものが、札幌~稚内間の急行「利尻」で、最北を目指すと言う実感が真夏でも入る蒸気暖房のガンガンと鳴る音で伝わり、夜が開けて進行左側の熊笹がいきなり開けると、突然日本海と、そこに美しく浮かぶ利尻島が見えて、時に機関士さんが減速してくれたものでした。


 真夏の他に、真冬にも乗りましたが、在来型一般客車=レトロ客車が、自動扉冷房完備14系客車になっても、あの夜明けの感激は変わりませんでした。


 札幌~網走間には、下りのみ北見~網走間普通列車となる急行「大雪7・8号」がありまして、途中の遠軽で方向転換を致しまして、下りはここで起床して・・・・上りはここで就寝・・・・


 常紋峠を越える時には、ついつい起きて心の中で犠牲者に追善を・・・


 札幌~釧路間札幌~東室蘭経由~函館間には、全車寝台指定急行の「狩勝7・8号」「すずらん7・8号」がございまして、自由席の方は小樽~釧路間に普通列車「からまつ」、札幌~函館間には小樽経由の普通列車で、旅師達がそう呼んでいた・・・・


img012 ←ムーンライトエクスプレス41列車、長万部にて


ムーンライトエクスプレス


 がございました。


 夜汽車は見知らぬ同士の旅客を、何時しか家族や友人にする魔法がございました。


 それも、寝台車なんてんじゃダメですね。


 向かい合わせの座席で、お互いに狭い空間で足を伸ばして、


どちらまで


 が全てのパスワードでした。


 利用旅客数が減少したのは何よりも大きいのですが、夜行は対本州便を除いて無くなってしまいました


 合理化も企業ですから必要です。


 しかし、その「効率的経営の視点」が、更に鉄道の魅力を削ぎ落とし、結果として収支効率の悪化に導いているのだと、この辺でそろそろ気付いて、そして、真剣に考えて頂きませんとね。


 さてと、子々孫々に夜汽車の浪漫を伝えるべく、ひっそりと新しい時代の懐かしい夜汽車を、思い描いて布団に入りますか・・・