昭和40年代初頭から国鉄がJRになってちょこっとした時期まで、北海道は実に学生が旅をするのに最適なネタとシステム、そして環境が揃っていたのです。
その最たるものが、「北海道均一周遊券」で、俗に北海道ワイド周遊券、現場では「道均」と呼ばれた、企画乗車券の存在でございます。
昭和55年6月の国鉄時刻表を見ると、値段は東京都区内発着で23600円・学割で19200円。
有効期間は20日間で、北海道内の全国鉄線がバスを含めて使い放題で、急行列車の自由席もフリー。
東京都区内からのルートは、東北線直行・常磐東北直行・奥羽経由・上越羽越奥羽経由と4ルートが選択できて、往復の急行列車も自由席ならばそのまま。
極端な話、この一枚で22日間は暮らしてゆけたのです。
それは道内で4ルートの夜汽車がありまして、これを使えば学生なら5万円もあれば充分、それでも土産だの食べたいものがありまして、だので小生は8万円を持ってゴー!
小生は色々なルートで渡道しましたが、やはり楽なのは青函夜行便チャンネルでした。
夏でも昼よりは夜便の方が揺れるものの、体を伸ばして横になり、シャワー(200円)まで付いてゆったりと道内へ入れるこのルートが一番良かったです。
で・・・有効期限20日なのに22日間スカ?と疑問と成られた方の為に継続乗車制度の御案内を。
切符の有効期限は青春18きっぷ、など一部を除けばその有効期限内に改札を入れば、日数が過ぎても出発駅までは有効とされる措置がございまして・・・つまり最終日の20日目に改札を入りさえすれば、後は改札を出られませんが、ちゃんと元の駅まで切符が使えると言うものです。
例えば・・・
稚内2100発急行第318列車「利尻」(20日目)→札幌1020発急行第102列車「ニセコ2号」(21日目)→函館1700出航青函第4便→青森2135発急行第6206列車「十和田6号」→上野0955着(22日目)
ってな具合でして・・・
この改札を出なければ・・・と言う原則は、鹿児島発着のものも当然有効ですから、中には丸々一月、汽車で生活をする方も・・・
そんな汽車旅を・・・と言うか、汽車で暮らす人々を敬意を込めて旅師、なんて呼んだものです。
この旅師の皆様からどれだけ情報を得た事やら・・・原則一人の北海道旅行も寂しいなんて事はありませんでしたね、むしろ一人ですと、
「何処まで行くの?」
と、気軽に声を掛けて貰って、何処のラーメン屋が美味しいとか、何処の宿は深夜早朝OKだとか、もうそろそろアレが美味しいよ、とか・・・
ガイドブックなんて絶対不要でしたね。
大抵が高校生か大学生、しかし中には三十路・四十路の大先輩も居て、そんな人達からロクニの魅力を伺ったり、エゾバフンウニや花咲ガニ、未だメジャーでは無かった夕張メロンもその旅先の、それも多くは夜汽車の狭い座席で伺った情報ばかりです。
で・・・何が詰まらないのかJRはこれら均一周遊券を廃止し、続いて夜行の急行や普通列車も無くなり、結局この夏の8月31日限りで北海道鉄道史上に残る一大汚点・・・道内完結便夜行列車全廃へと転落したのです。
これで北海道は観光で立道すると言うのですから、いや・・・無理ですよ。
観光経済の原則ってぇのんは、旅客の滞留時間を延ばして何ぼでナイカイ?
それさぁ自由に動き回るのぉ、ブチ切って置いてなぁ、何が観光立道だぁ。
いやいや、ハンカクサイって、まさにこの事だべゃ!
やってる事逆だべぇ、一枚安くたって切符一つあれば、何ぼ回っても良いって、それぞれに観たい北海道、あるしょや。
それば夜行バスだの飛行機だのかぃ?
北海道から鉄道無くして自分達が失業したいだけなんだべなぁ。
(翻訳)
全く愚か。
さて、一方で北海道は変わらないままの壮大な大自然と、旅人を魅了して止まない風景と味覚があります。
海外旅行も良いですよ、しかし自分達の住む国に、こんな魅力的でこんな地球を自然体で感じられる土地は中々ありません。
最近では小生、渡道にはフェリーをお勧めしております。
太平洋航路は首都圏から手軽に道央へ入れますし、日本海航路は運賃が安いのに豪華なんですよ、船!
夜行バスと組み合わせても往復で都内から小樽まで2万円ちょっとです。
まぁ繁忙期はフェリーの切符を確保しにくい現実もありますが、どうです?
今年の夏は北海道を満喫して見ませんか?


