本来、鉄道は24時間商売で、旅客列車には始発も最終もございますが、関わる人間には終わりってのはありません。
それに昨今、どんどん減少しております夜汽車、この機関士・運転士や車掌など乗務員や、信号・保安・通信・保線・・・実に様々な人間が、まぁ交代はしつつも24時間動いているから、24時間動くのであります。
さて、これまた鉄道模型をお持ちの方や趣味の方は、一度は経験したか希望されるか、「リアルタイムドライブ」ってのがございます。
時刻表片手に、その列車をその時間で転がすってぇ嗜好なんですが、昭和60年夏に当時の日本トレインクラブの恒例行事だった某市主催の夏休みイベント支援のレールフェステで40時間連続運転を密かにですが、まぁ挑戦した事がございます。
実はこの催事に関わった当初の昭和58年に既に30時間耐久ってのは挑戦したんですが、設営と撤収の時間が関わりまして・・・翌年もそんな事はしている訳で、ただ問題は多かったんです。
単なるおもちゃ・・・ま、そうなんですが、何せ1/150の一両142ミリ程度の代物、それがレールから直流12ボルト(最大)を車輪から拾って、小さいモーター回して走る・・・それが壁なんですね。
軌間9ミリ、車輪との接触点は髪の毛の断面程でして、走行中の空気の流れや電気のいたずら?で、ホコリを軌道に吸い寄せ、それを踏み潰すもんですから固められて、結果車輪に巻きついて行くんですね。
で、そのホコリの輪が絶縁体の役割をしちまうもんですから、そんなイベントの会場なんぞのホコリの多い、しかも湿気の多い夏季なんかは12時間・・・いや時には5時間と持たないんです。
それを連続運転させるには、それはそれなりの技術と経験が、まぁ必要なんです。
ものが小さいだけに大した事に見えないものの、案外難儀なんですわ。
さて、この日用意したのは、会場の市民センター大会議室に敷設した、18畳の基盤に単純に一周約40メートルと30メートルのNゲージ軌道が複線、金曜日の午後3時に搬入を始めて、応援含めて設営班8人で午後11時には一応外周が出来ましたので、早速運転開始。
数人は一旦帰宅して、4人残った状態で他の飾りつけ作業などをしつつ、午前4時に583系電車13両を据え付けて、一方は在来車を並べ始めます。
外回りの583系電車は、「青森発上野行上り特急第12M列車・みちのく」で、内回りは機関車が「代用」でしたが確か「上野発仙台行下り常磐線普通第221列車」で、それぞれ04時53分と05時55分にそれまでの列車に代わってスタート。
その頃には応援部隊がチラホラ参集して来まして、オープンの準備をし始めます。
10時のオープンまでには、レールの癖に対する対応が終わって、まぁ安定するんですね、どうしてもポイントとの相性や車両の動きとレールの癖の当たりによる脱線なんか、こんな仮設のものですと多発するのです。
それをレール交換、時には配置を換えて「安定」に持って行くまでが一苦労です。
オープンの頃には前夜から動いていた動力車の車輪は真っ黒!早速整備開始です。
13時30分過ぎ、12Mみちのく号は無事上野に到着で、側線に入れて動力ユニットごと交換し、下り列車への整備を・・・
「そっち今何処?」
「え?もうじき仙台・・・」
いやぁ、アンチャン達何一生懸命やってんかぇ?ってなところですが、1時間に一度の軌道清掃と、運用終わりの車両整備の呼吸があってないとなかなかに厳しい、それまで数回、この連携でつまづいてますのでね。
仙台についたところで内回りは一段落、各自の車両のお披露目運転で、オープン中マイクに張り付いているMC担当者が、
「続いては・・・」
なんて調子に乗って来たら・・・え?クローズタイム?
だが・・・列車運転は留まらず、14時48分に「上野」を出た特急第11M・みちのく号は、「青森」目指して走って行くのであります・・・
間口16メートル200、奥行900(ミリ)、単純に40メートルは実寸に直せば6キロ。
レールの継ぎ目の音で時速7~80キロ程度のリズムを目安に走らせると、やはり5分は掛かる代物でして、何時までも戻ってこないと脱線して止まっているのか走っているのか判らないんですね。
夕食も交代で食べて、幾人か帰宅して遂に「壁」の2夜目に突入します。
その間、4時間の仮眠をとって、23時50分、みちのく号が「青森」に着く頃、内回りでは急行第401列車・津軽号が東北本線を北上中・・・
外回りの方は「青函連絡船」の時間帯だけ休憩ですが、何と583系動力ユニットが一部溶解しているっ!
新品にして臨んでも、まぁ実寸にすれば600キロ近く突っ走ってますから、無理もありません。
04時45分、函館発釧路行特急第1D・おおぞら1号とした80系気動車13両がスタート、この日のクローズタイムに迫る15時02分に釧路到着を目指して・・・
日曜日の午後4時、40時間を終えて撤収開始・・・
で、この日の結果は、動力ユニット不能による交換1両・台車全面交換2両・台車ギヤ交換4両、伝達シャフト交換2両、車輪交換15両。
おまけに使う電源も予備含めて6台でやりくりし、スタッフのべ人員は37人。
良い子はマネしないでね。
