小生に蒸気機関車とは何ぞや、と教えて下さったのはSL検修の神様と呼ばれた、北海道小樽築港機関区検査長OBのYさんです。


 シベリアオオカミとも呼ばれたYさんは


「検査の時にはなぁ、火を落としてレールの上の文鎮みたいになってるんだょ、その時に個々の部品の作用構造を想像力逞しくしてな、多様な場面で働いている事を考えて調整やら修繕やらするもんなんだ。」


 この師匠から大きな財産は沢山頂きましたが、この言葉は飛び切り大きいものでした。


 で・・・小生の場合、この言葉は鉄道模型車両の修理に生かされました。


 一時メーカーに抱えて頂いた時、修理サービスの先輩の作業を盗み見して、自宅に帰ってから密かに練習し・・・なんてやっていましたが、それが活きたのは「レールフェステ」と言う看板でやっておりました鉄道模型イベントの現場でした。


 当時、鉄道ファンサークルの一つでしかなかった日本トレインクラブの主力活動で、東京都清瀬市の「こどもフェスティバル」(だったかな?)や、国鉄南流山駅コンコースでの開催でしたが、昭和59年にスタートして昭和61~62年に掛けては随分色々な所で開催させて頂きました。


 現在でもそうなのですが、車両は個人のもの・レールは組織のものと言う「上下分離方式」でして、駅などで朝10時から夜9時まで転がしていると鉄道模型と言えども疲れが出て来ます。


 車両は個人のものですから汚れたままでは返却出来ませんし、第一雑踏の真ん中ですもの車輪の汚れで半日もしないうちに動かなくなってしまうのです。


 その整備が小生の担当でして、とにかく見学者の多い現場で時間との勝負!


 いやはや、実戦こそ訓練の最適の場、なんですね。


 先の「シベリアオオカミ師匠」の言葉はここに!


 大量生産されている鉄道模型、ことNゲージは走行系部品もプラスチックである事が多く、使用していて変形や癖も付くものです。


 なので同じ部品を買ってきて取り替えてもそのままではしっくりしない事も多々あります。


 そこで「馴染ませる」為の試運転をさせてやると、良い調子になって来るものです。


 さて、折角こんな稚拙なものをお読み頂いているのですから、一つ整備方法をお教え致しましょう。


 立石(トミー)製のものは大抵が台車にギヤブロックが一体となったものです。


 ゆっくりと丁寧に車体から台車を外します。


 台車を横に傾ける感覚でずらせば外れます。


 それをゴムシートをデスクに両面テープ等で貼り付けたものの上に車輪を下に置いて、目のかなり細かい(2000番位がお勧め)紙やすりを折り曲げたものを、フランジ(車輪の出っ張った所)とタイヤ(車輪)の接合部分に軽く当てて、後はしっかりと紙やすり+台車を持って車輪の従う方へ左右に動かすと、動いたタイヤが紙やすりに当たり、汚れが削り取られる、と言うものです。


 走りが悪くなったと言って、油なんか差しては駄目です。


 部品がプラスチックである為に、それ用と売っているシリコンオイルですら部品を痛めてしまう危険があります。


 落合(カトー)製のものは、台車を外して更にギヤブロックを外して、動力伝達シャフトが「落ちないよう」に持つのがコツです。


 まぁ最近出て来た「フライホイル」では台車の外し方が違いますが、車輪を磨くと言う事は同じです。


 1分の1から150分の1まで、考えてみたら趣味だったものが趣味では無くなって、自分の趣味って何だろうか?なんて考えてしまう安房でした。


※この情報をご覧になって、各自が「やってみよう!」なんて言いつつ模型を壊した、ってな事になりましても小生並びに交通文化連盟は一切の責任を負いかねます。自己責任で・・・