こんにちは。

三番町店の松尾です。

 

今回は業務中にあった疑問について調べたので記録しておこうと思います。

 

 

【基礎的医薬品とは】

 

基礎的医薬品は「臨床上の必要性が高く安定供給が求められる一方で、薬価改定により薬価が下落することで安定供給が危ぶまれる品目については、安定供給ができる程度の薬価を維持しましょう」という制度です。

 

ちなみに、安定供給が出来る程度の薬価=販売銘柄の中で一番高い薬価です。

 

実例をあげてみてみましょう。

基礎的医薬品の対象となったケフラールカプセル250mgを例にあげます。

 

平成28年4月の薬価改定前、ケフラールカプセル250mg(先発医薬品)にはいくつかの後発医薬品が存在しました。医薬品名と改定前薬価の一覧を以下に示します。

 

         医薬品名         薬価 先発/後発

ケフラールカプセル250mg       53.70 先発品

セファクロルカプセル250mg「サワイ」 22.60 後発品

セファクロルカプセル250mg「トーワ」 22.60 後発品

セファクロルカプセル250mg「JG」   22.60 後発品

セファクロルカプセル250mg「TCK」  22.60 後発品

 

先発品のケフラールカプセルの薬価が53.7円で、後発品は22.6円でした。

上記5品目はすべて平成28年4月の薬価改定で基礎的医薬品の対象となりました。

 

         医薬品名         薬価 先発/後発

ケフラールカプセル250mg       54.70   

セファクロルカプセル250mg「サワイ」 54.70   

セファクロルカプセル250mg「トーワ」 54.70 

セファクロルカプセル250mg「JG」   54.70 

セファクロルカプセル250mg「TCK」  54.70 

 

基礎的医薬品の薬価は「販売銘柄の中で一番高い薬価」ですから、5品目すべて、ケフラールカプセルの同価格である54.70円に集約されました。

 

改定前はケフラールカプセルが先発品、その他4品目が後発品でしたが、改定後は5品目すべて「基礎的医薬品」というカテゴリーになり、先発品でも後発品でもなくなりました。

 

 

【基礎的医薬品は変更調剤は可能か】

 

基礎的医薬品は後発医薬品ではありません。したがって原則として基礎的医薬品への変更調剤はできません。しかし例外があります。

 

基礎的医薬品であって、平成28年3月31日まで変更調剤が認められていたもの(「診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品」等)については、従来と同様に変更調剤を行うことができる。
なお、その際にも「処方せんに記載された医薬品の後発医薬品への変更について」(平成24年3月5日付け保医発0305第12号)に引き続き留意すること。
(疑義解釈資料から引用)

 

引用のとおり、基礎的医薬品のうち平成28年3月31日まで後発医薬品だった品目については変更調剤が可能です。

 

たとえば、ケフラールカプセル250mgをセファクロルカプセル250mg「TCK」に変更調剤することができます。

 

対象薬品のリストは厚生労働省がリスト化していますので参照ください。

 

エクセル版PDF版

 

 

処方箋を受け付けた際に在庫が無かった場合に、上記の内容を知っておけば変更調剤が可能な場合があるかもしれません。

 

後発品への変更ルールについては沢井製薬さんがまとめてくれてますので、こちらもチェックしてみてください。

 

後発医薬品への変更調剤について