今日はデートをしてきた。
この前の休日の昼間、某駅の広場でナンパした女性。
全てがゴージャスで目立っていた。
圧倒的に整った顔面。
美しい身のこなし方。
シンプルだが本人の魅力を最大限引き出す服装。
ラインを交換できたときは身震いするほど嬉しかった。
そして今日、念願の初デート。
イメージ通り、知的で聡明な女性。
惚れない訳がなかった。
本気で手に入れたいと思った。
だから何度も今日は口説くのを止めようと思った。
1回目に口説いて、振られるのが怖かった。
だから誠実に何回もデートして紳士のふりをして嘘でも信頼してもらえば良いやと思った。
今日は優しい男のまま解散して、次に繋げれば良いと思った。
けど分かってた、次なんて期待しちゃいけないことを。
次に会ってくれる保証なんてどこにもないことを。
他の男に取られたくないのなら、今この瞬間で全てを出し切ることを。
だから口説いた。
あなたを良いと思っています、あなたのことをもっと知りたい。
だから、君を今から抱きたい。
喋りながら口が緊張でパサつくのを感じた。
しかし幸いにも彼女は自分を受け入れてくれた。
コーメイさんなら良いですよ。
2人で照れながら手を繋いで、自宅まで向かった。
全て順調だった。
丁寧に丁寧に、彼女を抱いた。
そして、最後の最後の段階で
サイズが合わなかった。
何度やってもダメだった。
空回りするうちに、相手が冷めていくのを感じた。
ちくしょう、何をやってる。
焦る俺を見た彼女は
今日はもうやめにしませんか?
何も言えなかった。
無言のまま服を着た。
そして駅まで送る道で
やっぱりコーメイさんとはもう会えない
彼女からのダメ出しをくらった。
必死にフォローしたがもうダメだった。
完全に振られた。
今までの経験を活かして、最高の流れを作っていたハズだった。
それがなんだ。
入らなければ全てぶち壊しじゃねぇか。
誰が悪いのか?
いや、もう本当にどうでもいい。
明日は仕事で大事なプレゼンの日。
誰よりも下準備をした自信はある。
けどそれがなんだ、もう本当にどうでもいい…