建築木材の需要は低迷を続け、合板・パルプ材の供給先も明るい見通しは期待できず、売れない先にあるのが木質バイオマス発電所で、二束三文ともいえるの燃料材のみの価値しか認められない。
本来は間伐材や残材を効率的かにエネルギーに転換するのが本来の目的だったが、全国各地に作られた発電所を運営するためには膨大な量の木材を必要とする。
その結果、一部の地域(山形県・福島県など)燃料となる木材調達の目的で植林されてから50~60年たって伐期を迎えた杉の木を皆伐し、その多くを低価格で買い取って木質バイオマス発電所に供給するという、本来の目的を逸脱した産業構造になりつつある。
しかも、大規模なバイオマス発電所は臨海部に位置し、その木質バイオマスエネルギーはすべて海外からの莫大な量の木材チップの輸入に依存している。
本来はCo2削減に寄与するはずの日本が、積極的にCo2を排出する側に廻るというおかしな事になっている
利益を得るのは山主や伐採運搬業者でもなく、補助金によって利益を上げ続けるのは一部大手の発電業者のみに思える。
それに許せないのが国家予算の投入による溢れるような補助金が付き、設備投資と共にいまだに高い電力の買取価格によって成り立っているという現実です。
しかし、この補助金の制度は未来永劫続くとは思えず、補助金が途絶えると産業としては成り立たたなくなる可能性が強い。
残るのは皆伐され再造林される事なく放置された伐採跡地で、そのまま放置すると雨水を吸収する山の機能が失われ、土砂の流出や下流域で洪水の発生を促し、公的な資金投入で災害復旧工事や護岸工事を行う事になる。
杉の木を60年~80年育てた林家としては悲しい社会だが、山林を受け継いだ方はこの現実を受け入れざるを得ない方も多く、次第に所有している山林の関心が薄れ、相続に至った時のことを考えると安くとも手放したくなるという気持ちも良く解ります。
しかし、子供のころから山林の整備・保育に携わってきた者としては、大切に育てた杉の木自然の中でも天然の循環を維持し、管理を維持する事によって少しでも社会の役に立ってほしいと望むのです。


