劇団主宰、企画プロデュース、脚本家のマツガエです。
佐野史郎さん主演、荒戸源次郎監督演出舞台「安部公房の冒険」
現在、稽古、苦心惨憺しております。
どう苦心惨憺しているかというと
ひとことで言うことはできないのですが
あえて、ひとことで言ってみると「嘘との戦い」でしょうか。
それは、単純に良く言われがちな「嘘を無くせ」みたいなことではありません。
映画や演劇が「嘘である」のは前提なので。
演技を真実たらしめるためには、嘘であることをちゃんと受け止めないといけないわけです。
ちゃんと受け止めつつ、ちゃんと嘘をやるというか。
そこでしか嘘が裏返って本当になるということは起き得ない。
なんて、ことをやっています。日々。
金魚って綺麗ですが、あれは嘘なのです。
嘘のことを人工物と言い換えてもいい。
人工物である。
でも、その人工物の嘘をある方向で徹底させたその先で、
嘘がある美しさに輝きマコトになる瞬間がある。ありうる。
それを信じるところにしか映画や演劇はない。
荒戸さんはそう言葉に出して言いませんが、そういうことなのだと日々稽古から感じます。
で、今回の主演の佐野さんも同じようなことを追求されている。
具体的に、肉体を使って。
その稽古の仕方は、論理や言葉を使う哲学ではなく、肉体を使った哲学といった趣があります。
気付きが日々ある稽古場です。
「安部公房の冒険」
2014/8/23-8/31
新国立劇場小劇場
企画・脚本:松枝佳紀
演出:荒戸源次郎
出演:佐野史郎、縄田智子、辻しのぶ、内田明
詳細は、次のリンクに飛んで下さい。
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=45038