わたしが女であなたが男




あなたの感じる苦しみを

わたしの全てで感じて


あなたが感じる喜びを

わたしの全てで感じる


わたしがあなたになれないように

あなたがわたしになれないように




あなたは何に哀しんで

わたしは何に喜ぶのだろうか


あなたは何を求めて

わたしはあなたに何ができるだろう




わたしはあなたに言葉を贈る

あなたがわたしに“そうだね”と言う


わたしはあなたにあれが欲しいと言う

あなたはヒミツでそれを憶えてる


わたしが会いたいと思う

あなたは今日の夕食の事を考えてる




わたしは満員電車で揉まれていると

あなたはドアの外を眺めている


わたしが何も言わず俯いていると

あなたはわたしの頭を優しく撫でてくれた




わたしの中であなたがいなくなる時

あなたの中でわたしがいっぱいになる


わたしが前を向いて歩みだすと

あなたは過去の日々を想い描く




ひとりきりの部屋で天井に光る常夜灯を見て

ふたりの目から零れるナミダ




そして

また日が昇る・・・