辺りを生暖かい空気が漂い

鼻をくすぐるような感覚がすると

空からポツリと雨が降り始めた


周りの人々は各々鞄から折り畳み傘を取り出したり

手に持った荷物を盾にして小走りになったりする

そんな光景を眺めながら駅のコンコースを歩く


仕事が上手くいかなくて落ち込んでるさなかの雨

撥水性のコートを濡らす春の雨は

今の感情の表れだななんて思ったりして


まさかね なんて鼻で笑いながら

それでも何故かワクワクしてしまう


この雨が誰かの足を止めたり

感情の荒みを洗い流してくれたら


忌み嫌われる天気の中

普段は疎まれている一人が笑う

それって なんか気持ちいい