誰でも愛せる大きな心を持ったつもりでいた

どんな人とも笑顔で話せる人であると思っていた

理不尽な言葉にもずっと耐えられると思っていた


どんなに悪さをする人でも

自分から口を開かない人でも

理論を武装したインテリな人でも

口より先に手が出る人でも


寛大な心をもったつもりでいた

自らの虚構をすべてだと信じていた

それが最良の手段だと思っていた


厚い壁を僕は持っていた

針一つでさえ通すことを拒む壁を

自分以外の誰かはすべてが敵だった


薄っぺらい壁だった

誰しも容易に通り抜けてきた

鉄壁だと思っていた壁は何でも通す空気だった


傷つくことを恐れるがあまり傷ついた

人が持つ言葉という武器は無敵だった

僕はあまりにも無防備だったのだ


どんな手段をとっても防ぐことができない

所詮は感情のままに動くしかなかった

それは 秋に降る静かな雨だった