船内見学

 

 

4月20日(土)神戸港から遠洋航海に出航する「海王丸」をお見送りしました。

帆を張った時の美しい姿から「海の貴婦人」とも呼ばれる「海王丸」は、海技教育機構の練習帆船です。

神戸港からの出航は5年ぶりとあって「船内見学&お見送りイベント」は、20人の枠に応募者900名と話題を集めました。

参加者募集に応募したのは、かつての教え子のお母さまで、なんと競争率45倍の中から抽選で選ばれたのです。

おかげで、2度と巡ってこないであろう帆船に乗船できました。

 

実習生の親族を含む多くの関係者らで賑わい、船員たちによる出航の準備が進められている中、

船尾か船首にいたるまでの案内を受けました。身近で見上げるマストは圧倒的な迫力に満ちていました。

狭くて急な階段、船体の両脇にぎっしりと巻かれてかけられたロープの多さなど、想像を超えることばかり。

随所、随所の機器の説明や逸話などを聞きながら、実習生たちが遠洋航海で、学び成長していく様子が目に見えるようでした。

その担当者もまた、実習経験者の一人でした。厳しい訓練を経てきた誇りのようなものが、話しぶりにも窺われました。

 

四面を海に囲まれた日本では、内航、外航を問わず海運が産業・経済に大きな役割を果たしています。

海運の安定輸送は、高度な船舶運航技術者である船員をはじめ、その経験を経たのち陸上で活動する海技者や、

船舶を安全に導く水先人に支えられていることを、あらためて知らされました。

  登檣礼(とうしょうれい)

 船上での出航式を終え、見学者が下船すると、実習生たちがマストに上り、

感謝の意を表す最高儀礼「登檣礼(とうしょうれい)」を披露しました。

「ごきげんよう」「ごきげんよう」「ごきげんよう」

一斉の掛け声とともに、岸壁の大勢の見送り人たちへ大きく手を振り、神戸へ別れを告げました。

圧巻の眺めでした。

  行っていらっしゃい大海原へ

船長・機関長ら士官・乗組員に加え、実習生(内女子9名)が乗船する今回の航海は、

2024年1月5日~3月10日までの国内訓練航海を経験した後の出港です。4月20日~6月10までの間、

3級海技士(航海)取得要件である遠洋航海に臨み、国際海上交通の要衝であるシンガポール港に寄港の予定です。

この遠洋航海航海では、帆走航海を計画していて、実習生は気象・海象を肌身で感じながら、

天文航法や緊急対応のほか、船舶運航に必要なあらゆる技能とチームワークを学びます。
 

大学受験指導をお世話した Y ちゃんは、海事科学部へ進みました。

海が大好きでした。2年後は彼女もまた、こうやって大海原へ旅立つことでしょう。

行っていらっしゃい海王丸、行っていらっしゃい海の若人たちバイバイ